HIGASHI JVC
小学生女子
バレーボールチーム

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八王子市(柚木)
練習予定更新日 2025.12.18
Blog更新日 2025.12.16
more ちょいバレⅠ~XXⅣ 2025.12.16

↓ 中学生クラブチーム「MINT」の秋の体験会
11/28(金)を予定しています。
No.601【セッターの涙】
数か月前になります。吸笛が響きコートから出た直後、セッターが大粒の涙、声を殺しているのが分かりました。舞台で泣いていいのは、達成感に満ちた時のみ、これが約束。だから彼女は我慢していたのです。
レシーバーは、強烈なディグだからある程度正確さを欠いた返球も許容範囲。三角形の守備の真ん中に落ちれば責任は自分が10割ではない。交通事故みたいなものと言い訳ができそう。スパイカーは決定率が50%が45%になっても、ブロックにさえぎられても、言い訳は作れるし、不調の時には別のスパイカーに多めに集めてもらえば責任の回避は不可能じゃない。
でも、セッターはそうはいかないのです。セッターが一度も触らずにラリーが繰り返されることはほぼありません。メインの仕事は、スパイカーに気持ち良いトスを上げること。私の経験上、サイドアタッカーの位置でボール1個のズレ以内、クイックではボール半分以内でないと「来た!」と思えないものです。
それがやりきれなかった、、、と彼女が言いました。個の責任感を逃げ道のたくさん用意できる守備陣、攻撃陣は理解しているだろうか。耳にタコができるほど「Aカットで入れよう!」「どんなトスも効果的に打ち抜こう、攻めよう!」という掛け声やセリフを聞いてきました。ほんの少しでもその意味をちょっとでも忘れて、薄い意識で練習するのであれば、これは背徳行為にほかなりません。
セッターの涙はチームが成長できるか否かの一つの起点。起点の意味は「そこから」。無駄な涙にするのかそれとも・・・。
No.602【休耕田】
先日、小学生から高校生まで過ごした田舎の様子をGooglemapで観て見ました。整備された元の農道と再開発された住宅地。そこは肥溜めや養鰻場の跡地だった鬱蒼とした池だった。野良犬が闊歩する雑木林だったところ? 見通しの良い町に変身していました。
休耕田とは一時的に耕作をしていない農地で、当時からたくさんありました。急に町が近代化して後継者がいないのはここも同じでした。手を入れることを辞めた耕作地は、土壌は良くてもその分、雑草の伸びは早く、周りの原っぱよりも速いスピードで荒廃が進みます。
先日、それぞれのポテンシャルは高いのに、コートで手を抜く、それを見て見ぬふり、あるいは鍬を入れる意識や一人でも耕そうとする勇気と根気の有るメンバーがいない状況のチームを見ました。こういうチームは、きっと冒頭の休耕田のような経緯をたどるのでしょう。そして、「休」ではなく、「耕作放棄地」から「荒廃農地」への道は高確率であることは容易に想像がつきます。
自分たちでない誰かに、責任や方法論を依存するのは虫が良すぎる話です。そんなものは既に何度も何度も手を変え品を変え考え方や方策そのものを提供してもらってきたのでは? 大丈夫! 休耕田にはいい土が残っている。
No.603【slack off】
通称「サボチェン」という練習方法を紹介します。半分遊びのような練習ですが、いくつかの効果を狙った練習方法です。複数対複数でネットをはさんだラリー形式。ルールは簡単です。「サボったら即交代!」ラリーが続いていても即交代!」当然ポジションは抜けた人の場所に入るのですから、決まっていません。小学生のチーム練習では、ほぼ決まったポジションを普段は練習していますし、中学生ではローテーションを念頭に組織的な練習がしみついています。
この「slack off」という練習はコートサイドに判定者(意地悪な奴ほど盛り上がる。だから私にはピッタリ)が「それはサボりのプレー」「気づきが至っていない」「失点の根拠」を発見した瞬間に交代を告げるというもの。コーチが判定者でもいいし、メンバーでもよい。コート外に1名設置するため、コート内は6人以下の場合もあります。
「Let’s slack off!」・・・サボろうよ! ですが、手を抜いたり、すべきことを怠ったりしたらコートに居られないよ、という皮肉を込めて敢えて「(Let’s)slack off」・・・サボろうよという練習名です。
効果は次のとおり。・一生懸命やろうとする。何に気付かなくてはいけないかを考えようとする。即座に判断して発信しようとする。繋ぐ意識を前面に出そうとする。声が出てくる。他者や自分の短所を探せるようになり、自分にフィードバックしようとする。盛り上がる。プレーにスピード感が増す。自分のポジション以外を経験できる。
この練習の高揚感と練習の中にちりばめられた意識を試合に生かせることをサボってはいけません。You must never slack off. If you slack off, get out of the court.
No.604【自分たちのバレー23】
バレーの神様はちょっとだけ微笑んでくれます。ただし、その表情は、次の試練への含み笑い。上等だ!」これは、このシリーズ「22」の最後の一文。後日談を語るには半年かかりました。
直前までに答えが出せない、答えはあっても表現できない、悔しく、もどかしく、扉を開ける勇気や実行力がない。それを痛感させるコーチ陣は、なんと嫌な奴らなんでしょう? もっと盛り上げてあげればいいのに、背中を押してあげればいいのに・・・。そんな声があるのは百も承知です。大丈夫です。伏線は幾重にも張ってきています。でも、奏功するかいなかなんて誰にもわかりません。唯一の光源があるとすれば、チームメイト自身の引き出しと勇気。
この大会は非公式戦とはいえ、公式戦の明暗を占う大切な経験の一日とする約束。今年度のチームになって、最もベンチがメンバーに歩み寄らない方針。その意味は、課題発見力、対応策捻出力(こんな言葉は存在しないか)、実行力、畳みかけ力(この言葉も存在しない)を達成感をもって試合を自分たちの流れにしなければならないことにあります。指示を聞いてやろうとするのは誰でもできますし、慣れてしまえば楽。でも、それは面白くないことを今のメンバーは知っています。
「相手がタイム取ったから、フェイント増やしてくるかも。」「ネット近めはインナーくるからレフト後ろ目から。あまり突っ込まないで準備しよう。」「サーブは敢えてセンター狙っていこう。」「前空くからそこに落とそう。」会話が飛び交う。ここに指導陣の余計なコメントは試合を面白くなくしてしまう。子どもたち発信の会話や空気で自然と出る笑顔、これが次の1点につながってこそチーム一丸と言える。
6年生は、最も重い責任と期待を背負ってコートに入りました。先週の大会では、その責任を果たしていませんでした。この日、誰がどう見ても、あの二人、頼りになる大黒柱だった。ライトからのバズーカ砲、センターからの速攻、コース打ち。戦意を削ぐ軟打。
この日の攻守、一緒にやってきているからこその息の合い方が憎らしいほどでした。セッターの走り込みからのトスの質と場所を、スパイカーが予測して助走をしていました。上がった場所に関係なくほとんどgoodタイミング。ブロッカーとバックのコミュニケーションも練習の賜物。
さて、いよいよ次なる試練は公式戦でこのやり口、自分たちのバレーを表現するのみ。バレーの神様に笑い返してやろう!!
(優勝って響きは、いいね。新聞に載るらしいよ・・・。)
No.605【力水】
本来は、相撲の取組みの前に、勝った力士あるいは次に控える力士が土俵の上の力士に差し出す水のこと。柄杓の水を対戦を控えた力士は一口だけ口に含む。
一口の水、砂漠であれば命の水。マラソンや他のスポーツであれば競技を安全に継続するための給水。一発勝負の直前にこの給水の儀式があるのは相撲だけ。ある力士が語っていました。「この一瞬があることで冷静さを取り戻せます。蹲踞から立ち上がった瞬間に観客の皆さんの姿が目に入ります。感謝の気持ちとともに一気に士気が高まってきます。」一口の水にこんな力が。言葉通りの力水。
バレーボールの試合では、選手の健康管理上の給水時間が用意されることがあります。のどを通すほんの少しの水、折角ならただの水分補給に当ててはもったいない。冷静さを取り戻す、水筒を持ってきてくれるチームメイトの思いを汲む、応援席に目をやりここまでんの道のり全部を含めて感謝、円陣を囲む仲間と心と考え方を一つにできる時間を一口の水に感じられる選手であってほしいと思います。
そうなれば、どこにでもある酸素と水素の単純な共有結合分子(H2O)の集合体が、コートで発揮する力は、豪華なメインディッシュ同様に突破力の支えになるのかもしれません。だから力水。言葉通り。
蛇足・・・士気を高めるツール、冷静さを取り戻すツールはたくさんあります。物とは限りません。言葉、動作、音、イメージ・・・。チームのベクトルを1方向にする手立ての一つ。
No.606【1.01の21乗】
1.01×1.01=1.0201。大した違いはありません。では、10乗は? 約1.1。1%の上乗せを10階つみ重ねてもやっとこんなもん。では、21乗は? 約1.23。21点マッチに換算すると、21対17。3セット目の15点では、12点。ほんの1%の積み重ねはこうも違う。
シビアな試合では、その日までの、一瞬の差が雌雄を分けることは言うまでもありません。さらに、その試合での表現をちょっとでもサボろうものなら、自分一人くらいそうでなくてもと思っているのなら、折角の仲間の1%の努力をいとも簡単に引き下げる、あるいはマイナスの掛け算にしてしまいます。これはどれほどの責任の大きさであろうか。そんな舞台に立てるのであれば、チャレンジの価値がありますね。
難しいのは、我武者羅にパワーやエネルギーやこえの大きさを1.01倍するのでは得点には結びつきません。冷静さ、思考の1%UP、それぞれのバランス力の1%UPをも必要とします。基準になる自分の到達点が分かっていないと、チームの到達点が分かっていないと、それは実行できません。そんな短期間で身に付いたら苦労はしません。だからこそ、日々の積み重ねが大事なんですね。
ちなみに、1.01の365乗は? 誰か計算してください。時速4キロで歩いていた人の1年後のスピードは? 一発免停!
No.607【湯川秀樹 博士】
小学校2年生の夏、担任の先生から課題図書でもないのに渡されたのは伝記「湯川秀樹」(日本人初ノーベル物理学賞受賞)でした。読書感想文を書けと。無理。博士はこう語っていました。「好奇心は人を成長させる最大のエネルギー」である。流石は物理学者、エネルギーを物理学と人間の心と融合させるなんて。
理科の面白さは、疑問があり、仮説を立て、実験し、解明できたときにあります。数学の面白さは、問題に対して様々な方向や可能性から筋道を立てて論理的に進めることで、解にたどり着く達成感。もっと身近なところでは、パズルやなぞなぞ。特になぞなぞには出題者の意図や心もちが滲み出ていることがあります。犯人を暴くタイプのドラマなども然り。
では、逆に。試験勉強で時間がない時に、数学の問題の解法を見てから、応用問題を解いて試験に臨む。実験の経緯や結果を動画で見て納得する。犯人を最初から教えてしまう。などに思考の発達はあるでしょうか? 素人目にもその効果は薄いことは明白。ということは、「考えることはそれ自体が目的である」と言えます。その過程での試行錯誤は選択肢として定着します。選択肢を右往左往する柔軟性や好奇心、開拓心が育ちます。
小学生、中学生諸君。何のために勉強するかって? やらなくていい理由にするためにこの質問をすべきではありません。その答えがわからないのであれば、探求心をもって答えを探してみてください。先ずはバレーに関する疑問から解決してみよう。すぐに物理、生物、数学、心理、哲学、情報、ありとあらゆる分野に疑問が広がるはずです。
湯川先生からとった(と母曰く)私の名前は秀樹です。でもまだノーベル賞はもらっていません。
No.608【コート劇場 2】
今一つ覇気がない、チームにエネルギーを与えようとしている空気が沸き上がっていない、こなす練習・・・。これは技術論ではなく、心の問題。心はすなわち脳の働きなので、考え方に工夫をしなければ解決困難です。一つは報酬(金や物)。これは小中学生にはなじまない。
こんなアドバイスをしてくれたOGコーチ。「是」か「否」か・・・。
「ねえみんな、聞いて。コートの中にいる自分を、自分の好きな人が見ているって思って!」「私もそうやってきたんだ。」確かに、彼女を見ていると、どんな時でもチームを鼓舞し、明るい。一人のメンバーも取りこぼさず寄り添う。でもきっちりアドバイスはする。仲間や控えのメンバーにも笑顔や意思を伝えようとする。どう闘うかを先頭切って発信する。繋ぐことにいつも全力。繋げない可能性99%でも諦めない姿勢を見せる。
このアドバイスの直後から、中学生のチームの空気が一気に変わりました。空気を変えた根拠が気持ち(考え方・脳の作用)である以上、神経伝達経路の反応速度は増し、アドレナリン、セロトニンの量が増大し、運動のポテンシャルは上がる。理にかなっています。流石です。ということは、「是」ですね。
〇〇先輩、この理論がさらに実践で生かせるよう素敵な出会いを願っております・・・。
No.609【あたかも】
最も達成感を感じる時の条件・・・かけた時間とエネルギーによる。内容の重大さによる。自分との距離による。相手の感謝の大きさによる。金銭的な見返りの大きさによる。金銭以外の得るものの重さによる。そしてもう一つの条件、自らの発信によるか否か。
最後の項目は小学生中学生段階では「なかなか難しい」ものです。気づかないからこそアクションを起こせない。この自ら気づいてアクションを起こすことが性分になれば、解決へのアプローチを探ることが面白くて仕方なくなります。そこに足し算的に上記の条件が加われば、解決、突破の目的が重厚になります。
「なかなか難しい」を「あたかも」自分から一歩歩み始めたと思わせる策、仕掛けが最も難しいコーチングの仕事内容の一つだと考えています。どんな伏線を敷いておくか。枯葉に覆われている分岐点のある小路、どちらの選択に導くか。その場に「いかにも」の道標をたててはいけません。そもそも分岐点がなく明らかに「こちらにどうぞ」「こちらしかない」アスファルトの道をガードレールでしっかり擁護された歩道を歩かせてはいけません。
チーム課題「練習に覇気がない」。この状況に対して、「キャプテンにミーティングを開くよう指示する」あるいは指導者が開催の連絡をする。では達成感につながりません。若手の指導者に「キャプテンが自分で気付いてアクションを起こすようにしかけて」と依頼したとします。その指導者はさりげなく、「最近どう?」から世間話、他のチームの様子、目指すチームカラーをもつチームの盛り上がっている練習風景をさりげなく見せる。この撒き餌に食いついてくれたらしめたもの。「手ぶらで来て雑然と話し始めてもなあ~」、「どうもって行きたい?」「ツールどうする?」の追加の撒き餌。さりげなく目に留まるようにある「ツール」(このツールは、すぐそのまま使える代物でない方がよい)。
そう簡単にこのシナリオがうまくいくとは限りませんが、ここでは三羽の鳥を落とせる可能性があります。「あたかも」に乗っかって主体的にミーティングを遂行しようと試みるキャプテンの達成感と成長。撒き餌を思慮して実行した指導者の成長、三羽目は、チームの改善。「あたかも」は分かりやすいキーワードです。
この「あたかも」作戦については、学習指導要領で重要とされている観点と相違ありません。学校では、この「あたかも力」が腕の見せ所と先生たちは考えています。だから、学校は大切な場所と言えます。
No.610【自分たちのバレー 24関東大会出場記念】
静寂のフロア、試合が止まった。ほとんどの人、ベンチ、両チームの応援席、相手チーム、本部役員席、理由が判明するのはこの5秒くらい後。おそらく関東大会史上初、キャプテンが主審にタイムアウトを要求した。
ベンチ・・・ではなくフリーゾーンの控えメンバーの方向へ選手が集まる。何を話したのかはコーチ陣は知らない。あえてその話の輪には加わらない、加われない。そこは「たかだか小学生」とは言わせない緊張感と突破力にみなぎる空気に変化するには十分な25秒間。
ここまでは圧倒的に封じ込まれてしまっていた悪循環の試合運び。都大会のエネルギーはほとんど出せていない苦しそうな表情。何とかしなきゃ! アクションを起こさなきゃ! 勇気に応えなきゃ!
いつそこに来たの? フォローし続けるレシーバー、打って打って打ってど根性バレーの6年生。セッターとのコンビネーション抜群の今日一のA。この5.6点の猛追、これぞ自分たちのバレー。
ここに至ったのには、前章があります。東京新聞杯(準優勝し関東大会出場を決めた都大会)二日目。決勝の舞台まで全くの下馬評に名前が挙がっていなかったチーム。試合終了後、大会本部役員、審判団からの話が伝わってきました。内容はこう。
HIGASHIの違和感。役員さんから発せられた「いままで見慣れてしまったことが本当は違うのかもしれない。」「指導者のところに選手が集まらないし、見てもいない。」「でも、他のチーム以上にエネルギーを感じる。自分たちでやっている感じが伝わってきた。」
監督主導のチームが多い中、違和感はHIGASHI独特の挑み方にほかなりません。良し悪しを言うのではなく、自考自成を追求する理念やスタイルの違いだと思います。勝ち上がれたのは、運以外の根拠にも目を向けてもらえるシーズン。
No.611【妥協】
ストレートに表題を付けるのはあんまり好かんのです。芸がない。かといってあまり突飛な表現ではわかりにくい。今回は悩んだ末のダイレクトな表記にしました。推敲は面白いが疲れます。
お椀が一つ。その中に自分の目標、夢、課題、試練、ミッション色々詰まっているとします。手にしているのはもちろん自分。中身を吟味して入れるのももちろん自分(義務や仕事などはどうしても入ってきてしまうのは仕方ない)。容量の充足度はどれくらいでしょう? 別に心理テストではありません。
小さな椀ならなら同じ中身でも山盛りになるでしょうし、大きな椀なら少ない中身に感じるかもしれません。たっぷり感を得たいがために姑息な工夫・・・お椀を小さめにすればいい。さも満足感を得たかのような錯覚を期待して。山盛りだから大満足だったよと人に報告する。それは自分にも言い聞かせるかのように。妥協への道。
苦手なものをそーっと残したり排除したりもできます。今日はちょっと体調がよくないから、脂っこいから・・・食べ物ならそれはアリです。でも、ここで中身と言っているのは上述の目標などのこと。おいそれと排除? 妥協への道。
これを繰り返すこと、妥協を繰り返していると、それが自分の性分になり、そういう生き方になっていく。そんな自分、そんな我が子、そんな仲間を憧れの目で称賛できるでしょうか? 目標値を下げることで、さも達成したかのような・・・も同様の意味合いですね。
大きなこね鉢で作りたての蕎麦を食べたくなってきました。師走ですし。大晦日は蕎麦をうつ! ここは妥協しない!
No.612【ステップの整理整頓(守備)】
二階のクローゼットを勝手にリフォームしました。1.75畳。室内全体(天井も)。ニッチ壁を取りつかれたようにたくさん開け、エジソンランプで山小屋風に。目的は、ここを木工時計工房にすること。ちょっと一服できるように1960年代製のコーヒーミル壁に。おしゃれ空間をイメージしていました。現実は、木っ端まみれ・・・。
さて、話はステップに。0.1秒以下の初動の勝負に長い時間を投入します。人間の反応速度(状況を認知してから運動の発現までの時間)は0.1秒以上。故に陸上競技のスタートの場合、0.1秒以下の場合は、反則。
自論ですが、共通する意識は過去にも投稿した抜重からのスタートとゴキブリと呼んでいるステップです。両者、過去の投稿を探してみてください(もう散乱していて自分でも探し辛い)。このコラムでは、守備のステップの種類と場面を整理してみたいと思います。当然のことですが、ステップは複合動作です。プレー中単体で成立することは全くありません。
スプリットステップ・・・テニスを観ているとわかりやすい両端を開いて踏ん張りのきっかけを作る方法。これは、球技の場合、タイミングが明確な場合は有効。明らかにスパイクをノーブロックで打ってくるとか。レセプションも同じじゃん? という人もいますが、目線の高さを変えたくない状況でのスプリットはお勧めしません。
プレポジション(抜重ステップ)・・・オールラウンダーのステップ。最も早く地面の力を得られる、ということは反応速度もあがるということ。フェイント処理、イレギュラーボールへの対応、ツーアタックや速攻への対応。これは実際の動きも必要ですが、意識とタイミングの方がもっと大切。ステップというよりステップの直前の意識と運動の初動。
サイドステップ・・・言わずと知れた横方向への小刻みのステップ。ちょっとだけ移動して方向のきっかけを作るステップ。ディグの初動、サイドアタッカーの開く動作。
クロスステップ・・・移動スピードを一定あるいは加速的に必要とする場合に初動の抜重やサイドステップに続けて行うことがほとんどです。後衛が移動して軟打を処理、ブロッカーが初動からあるいはサイドステップに続けて実施移動する場合、サイドアタッカーブロックから瞬時に下がる場合。どの場合もコートの中に重心をキープする意識(ブロックを除く)が必要。
チェック・・・相手チームからのフェイント、セッターのツーアタックへの対応時に使う警戒のステップ。次の運動方向は後ろでありながら、前に一瞬小さなステップを刻む(実際には動かなくても警戒できればよい)。
チェックバック・・・完全なディグフォーメーションに間に合わない場合、高速かつ短距離で守備体制を整えたい時。例えばダイレクトスパイクを浴びてしまいそう、ラリー展開が速くトス回しも低めの時。体重を前に乗せたままゴキブリのようにサササっと。
チェックフロント・・・サササの前バージョン。いつ来るか、いつ落ちるかわからない場面への対応。チェック系は武道や格闘技では最も使いますね。
整理整頓は自己理解にもつながりますし、探求意識をあおり、最大のメリットは穴の発見。我が家の工房も年末整理整頓・・・しま・・・
No.613【つなぐとは・・・】
三次元のグラフ上で点をいくつか打ち、線で結べば方向性をもち、3つ繋げば広さをもち、4つ繋げば体積をもつ。点を個々の練習内容とすれば大事なのは線。
バレーではボールが高速で移動するため、その線にあたる動きを高速化する必要があります。ボールではなくプレーヤーの動き。「人間の認知~発現は最低でも0.1秒かかります。その分早めの準備が必要です。決まった位置に移動を完了しておくための準備です。イレギュラーなボールの移動に対応するリカバリー要素の多い場面での準備は、決まったフォーメーションよりも複雑になりますし、定型にはまらないけど一定のルールがあることになります。一定のルールとは・・・次の準備の繰り返しをサボらないこと。
フォーメーションタイプのつなぐ動きとは、トランジションアタックの場面(ちょいバレ410)。警戒しながら攻撃に転じるポジションに高速で移動する。疲れちゃうじゃん! は練習では悪い癖になるのでいつも高速。トランジションは、場面が変わる瞬間のこと。攻撃直後、ブロック直後、ディグ直後、チャンスボールの判断直後、ブロックフォロー直後、アタックヒット直後、サーブが根とを通過した直後。縁日で見かける「拭き戻し」のようなイメージ。全ての場合を練習でサボらず行うべきです。
もう一つのイレギュラーラリータイプの繋ぎは、ちょいバレ612などのステップを基礎技術に加えて想像力が必要です。次にどちらにボールが移動するか、人が移動するか、その次の可能性は? をサボらず準備して動くこと。この結合体が高速で実行された時のおもしろさったらたまりません。
大先輩からのアドバイスをAIを介してわかりやすくスタッフが整理してくれたの、以下に紹介します。
1.「つなぎは、技術論に見えて、実は“準備とつなぎの文化”」
・結合練習を軽くしない
・戻る・構える・準備する
・フォームを妥協しない
・声・返事・視線を当たり前にする
2.なぜ「結合練習」が最重要なのか
・個人練習は大事
・結合練習は個の技術を“つなげる練習”
・結合練習は、アップではなく、実戦につなげるための最重要練習
・フォームが崩れたままでは、ゲームをどれだけやってもつながらない
・「つなぎが弱い」の正体は、結合練習の質不足。ここを軽視すると、試合形式を増やしても改善しない
3.フォームの大切さの意味(レシーブ・オーバー)
・レシーブ:腰を落とし、下から見る
・「取れた」ではなく、正しい形で取れているか
・今できているか、ではなく、将来のスピード・強打に耐えられるか
・強豪チーム相手を想定した、逆算視点からの指摘
4.「戻る・準備・トランジション」が超重要
・ボールが上がったら、すぐ元の位置へ戻る
・ゆっくり戻るのはクセになる
・攻撃後・ブロック後・カバー後、戻りが遅い
・「前に出る → 戻る」はセット
・「つなぎ」とは、ボールではなく“人の動き”
・ 技術以前に、移動・戻りができていないと次がない
・中学生のうちから、戻る、構える、次を待つを癖づけるのは非常に重要
5.声・返事・視線は「連携の技術」
・声を出す
・返事をする
・レシーバーの方向を見る
・フォローに入る意識
・これは精神論ではなく、連携・準備動作の一部
・声や返事が遅い=動きも遅れる
・実戦で起きるズレを事前に潰す準備を練習でやるべき
6.練習全体の構造(共通認識) 常に課題の発見と振り返り
① 個々の練習(フォーム・素材づくり) 成功より正しい形
② 結合練習(最重要:つなぎ・準備) アップではない/実戦の要
③ 複合練習(実戦チェック) できているかの確認
④ ゲーム練習(成果確認) 直す場ではなく確認の場
7.具体的な動き
・攻撃時 →前に出る → 攻撃後 →フォロー →次の役割へ
・攻撃後 →チェック後基本位置へすぐ戻る
・相手のアタックヒット後 →リカバリー(イレギュラー対応)→セットアップ(ハイセット含む)
・ブロック後 → 次の役割へ
・常に「次」を考えて構える
・止まっているプレーヤーはいない
※ つなぎの練習は最重要。このスキルを上げた選手がつないでくるボールには、深い意味があることが分かります。それ故、おろそかにしてはいけない。何万回も聞いてきていることですね。
