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No.282【汝自身を知れ】 

 

 格言では聞き覚えのあるタイトルですが、壮大な哲学の世界、精神分析学の世界での意味とは違い、ごくごくシンプルな意味で使ってみました。だから間違った使い方です。というのが前提。ちょいバレ70、「分析」というタイトルを設定したものや「分析」の周辺に浮遊する内容をたくさん取り上げてきました。
 「サーブの弾道にどうしても逆回転や斜め回転が入ってしまう(武器に成りうることもあるけれど)」。ここが改善されればスパイクへの汎化、自信、相乗効果が望めます。このことに取り組む術は・・・何度も紹介してきましたが、改めて方策の項目のみを整理してみたいと思います。
1.フォームの分析 → サーブの極意(No36)をヒントにすると、どこかどれかが個性の許容範囲から外れていることはないか?
2.1.の確認の方法を複数もつ → スマホのスローモードで撮影(最近は素敵な機能が満載です)、人に見てもらう。
3.一つ一つの課題をつぶすために行う作業(練習)の工夫や洗濯 → 既存の練習に追加の意識をもつことや、修正のために特化した練習方法を練ってみること。知ってそうな人に聞いてみるのも手。
4.変化を記録する工夫 → 動画をいくつか並べてみる。サーブの質を確認してみる。できてきているか否かをノートやPCに記録する。この作業は、また次に0からのスタートにならないためにはとても大切です。せっかく、場所を確保してもらい、時間をかけて、真剣にやろうとしているのであれば、0やマイナスのスタートに立つことを安易に自分に許してしまってはいけません。
 汝自身を・・・大げさ・・・と思うかもしれませんが、目の前の小さな課題に取り組もうと(1~4の手続きにように)しない人、今の自分を知ろうとしなくなった時、成長はおろか、傲慢で人の足を引っ張る人になる芽が芽生えてきます。

No.283 【料理とバレー】 

 

 煮立たせてから入れるか水から入れるか、どの段階で追い油を入れるか、火を止めるタイミングはいつがいいのか。食材の量と調味料のバランスは。子どもが食べるのか辛党のおやじが食べるのか。時には時間との戦いにも追い込まれる。けっこう必死で考える。高評価をもらったときは、心の中でガッツポーズをしつつも表は涼やかに。プライド。
 この行程は、スポーツにも共通するものがある。あいつがジャガイモで、こいつがごぼうで、あいつは唐辛子で・・・じゃない。いや、じゃないとも言えないな。手順やコーディネート、到達点や反響を考えながら試行錯誤するところはなかなか似ている作業ではないかな。
 そういえば、最近、自宅の2階の3畳間を自分でリフォームした。大工仕事もとても参考になる行程(思考と実働)を経ているなと感心しきり。お、HIGASHIの監督が大工。いよいよ風が薫ってきた。
 料理のレシピは、もともと医師の処方箋を語源にもつらしい。それぞれに適応した最もふさわしいレシピ。行き当たりばったりでは心を揺るがす逸品には至らない。晩飯めんどくさいからチャーハンは、ペペロンチーノの素でいっか・・・だからかな?嫁に「旨い」ではなく、作ってくれることが「便利」と評されるのは。
 

No.284【叱りやすい】 

 

 バレーボールは叱りやすいスポーツだよね?と、かつて何度も対戦したチームのスパイカーに会ったときに話されました。スパイクがネットにかかる、ディグで自分の手に当たったボールがアウトになる、トスでボールを持ってしまう、チャンスボールをアウトにしてしまう・・・。ラリーの数だけ失点が生まれます。監督がそのメンバーを叱ります。の光景は嫌というほど見てきました。叱ることをどうこう言っているのではなく、次にどうしようとすれば改善するのか、そうならないためにはどうすべきであったのかが、そこに至るまでに紡いで来られているか否かが最大のポイントです。
 「子ども自身が考えるバレー」とよく言いますが、「考える」にはいくつかの種類があります。一つは「①技術や理論を合理的に考察すること」もう一つには「②考え方を考えること」。大事なのは後者です。技術向上のためには全社はもちろん必要不可欠です。この後者は、いうほど簡単ではありません。指導者側に立つ人であれば、機を選び(目を皿に、鼻をきかせ、耳を澄まして)体育館やフィールドの気象を人工的にコントロールして。相手が人であるがゆえに一筋縄ではいかない苦悩と闘いながら三歩進んで二歩下がるの繰り返しです。
 成行き、結果をいくつかの根拠を見つけ出して提示できなければ、見た目の失敗を安易に「叱る」「パワーバランスでねじ伏せる」ことは、失敗した本人よりも幼い行為なのかもしれません。それが難しいのであれば、①を一緒に行うか、励ますかのどちらかでよいと思います。 ちなみに、冒頭の失点のうち、一つは「ミス」ではありません。少なくともHIGASHIでは、これを成功としています。

No.285 【ミスと成功】 

 

 ミスによる失点、ミスった!スポーツの場面ではよく聞く「ミス」の表現ですが、本格的な英語を操る場ではないため、私のような和文化人にとって、そこは深くほじくらないことにします。多くは「失敗」をそう(ミス)呼んでいます。
 ミーティング(特に高学年の)ではこの話題に言及することが多々あります。何をもって「失敗」とするか、何をもって「成功」とするか。このことをテーマにするとき、「失点とは」「目指すバレーとは」「自分たちのバレーとは」は、必要な具となります。「先輩たちのチーム」や「ライバルと称するチーム」これは刺激的なスパイスですかね。(既出のコラム283に「ミスではない」下り、2020.8/2のブログにもこの香りを漂わせていました。)
 レセプションでのファーストタッチ。この瞬間(正確にはちょっと前)に「私はこういう意識で、自分にこう唱え、こう体を動かす」「仲間にその意思を伝えるために、このタイミングで、こう大声で意思表示をする」「そのための準備を一生懸命やってきた」の結果が、ボールをはじいた形になった場合、これを「成功」と表現しています。直後から次のトライアルが始まっています。はじいた人は「仲間を動かすための全ての必要不可欠なことを行う」、それ以外の者は「最もいい形を目指してつなぐための全てのことを行う」・・・この連鎖の全ては成功と表現しています。
 失点はミスとイコールではないし、成功は必ずしも得点とイコールではありません。特に小学生(中高生)スポーツにおいては大切な見方の一つだと考えています。それを体感し、意識に強く根付かせる作業の行程から「自分たちのバレー」が迷いなく見えてくるものだと思います。味のクセもその年々、驚きの味を作り上げてほしいものです。今日の夜はカレーにしたくなってきました・・・。


 

No.286【curry】 

 

「安くて時間がかからなくてそこそこ旨い完全オリジナルカレー」の作り方
材料(8人分くらい・・・人によって違うからあまり考えたことありません)
 たまねぎ(大)4、にんじん1.5本、りんご1.5個。
 調味料:ガラムマサラ小さじ3~4、シナモン適当、にんにく適当、しょうが適当
 調味料はあまり深く考えない。でもガラムマサラは必須。
 「SB食品、カレー屋さんのかくし味 ガラムマサラ」みたいなやつ。
その他スパイス(クミンシードとかシナモンとか)。
作り方
1.材料をサイコロくらいに切る。
2.たまねぎをこんがり飴色になるまで炒める。茶色くなるまで炒める。
りんごも同時にいためると後からシャキシャキしなくていい感じになる。
この間ににんじん(水少し足して)を電子レンジで数分加熱。後追いで炒めて追加。
同時でもいいしテキトーで。にんにくやしょうがも途中追加。
3.鍋に入れて、水を足して手持ちタイプのブレンダーでガーーーーっと。
水の量は、具が浸るよりほんのちょっと多め。あまり細かくしてしまうと、味気なくなるので、2ミリ角くらいを目安にするとよろしいかも。ま、好みです。
4.カレー粉を入れ、好きなだけ煮込む。
たぶん通常の表示よりも少なくてすむ。おすすめは(安い市販のルーの中では)、ジャワカレーです。小麦粉やらとろみ付けが多いものは、避けてます。すごくピチピチ跳ねるので、蓋をかぶせながらしっかりかき混ぜ続ける。途中で、ガラムマサラ、シナモン、・・・適当に入れる。多めがお勧め。
6.完成!そこで参考までに。
①貝類は入れないほうが味はいい。海老の場合はケチらずに大きいやつを後から入れてあまり煮込まずに。ふんわりやわらかに。トッピングはもちろん自由。
②ジャガイモはブレンダーかける前に絶対に入れない。すごくプルンプルンになっちゃう。
③味に飽きたら、もしくはマイルドにするときは、缶詰のココナッツミルクを大量に入れる。おもったより多く入れていい。
④バリエーションでほうれん草を入れてミキサーしたらバレません。健康的に。
⑤試食でシャリシャリ感がある場合は炒める時間の不足。ひらすら煮込むしかない。
⑥ジャワカレーは中辛以上しかないから、辛すぎる人はバーモンドカレーの中辛か甘口をミックス。ガラムマサラ自体辛いから、はじめはバーモンド甘口半分、ジャワ中辛半分がいいでしょう。
⑥以上、基本料なので、好みで適当に調整してください。たぶん、すぐ食べるより、翌日のほうがいけると思います。 ・・・これ、バレーと関係あるの? ちょいバレですから。

No.287 【臭覚】 

 

 もう50年近く前になる。近所の犬(あ~すみません、私犬苦手です)が、父が帰宅する少し前に必ず吠える。当時、この犬は名犬とされていた。近所内だけ。私にとってはただの天敵でしたから。父はそのカブ(HONDAの原付)に20万キロ以上も乗っていた。犬の聴覚は人の4~10倍、臭覚に至っては1000~1億倍。超音波を聞き分けられる粋な耳と自分のおならの匂いで失神してしまわないかと疑問を抱かざるをえない恐ろしい臭覚を持っている。となると、同じエンジン、オイル、いつものスタンドでの燃料、同じ道を戻るエンジンの回転数と音、何分も前から「あのカブの消防士だ」と判断できたことは合点がいく。でも、犬はそんな分析を意図的に試みてはいない。瞬時に判断するのは、本人(犬)が考えていない以上「勘」のカテゴリー。紐解けば根拠はいくつもある。
 ということは、その根拠に当たる部分を鍛えれば・・・なるほど、それが警察犬や狩猟犬、最近ではがん探知犬(現在日本には数頭しかいないそうです)。
 さあ、バレーでは・・・「勘」については、すでに何項か書きました。練習意図、根拠を徹底的に細かく探らないと、あなたのバレー臭覚は鍛えられません。徹底的に。


 

No.288【相棒7 chess】 

 

 Amazon prime、このシステムが存在する限り、画面の前から離れられない自分は、何と自己抑止力の弱いことか。子ども達には、「目的を達成するために捨てなければならないことがある云々」などと言っておきながら、神様すみません。
 「チェスと人生の違いは、ゲームかゲームでないか。共通するのは、チャンスは自分で生かすもの。(相棒シリーズ7)」含蓄のあることばです。よーく考えてみると、では、どこがチャンスなんでしょう?チャンスに気づくにはどうしたらいいんでしょう?生かすにはどうしたらいいんでしょう?
 一つの考え方にこんなものがあります。チャンスはピンチの時。似たような状況をもがいて通り抜けるか、敢えてそういう場面を作って切り抜ける鍛錬を繰り返すこと。生かすには、似たような場面が来た時にその考え方を駆使することかなと思います。
 我が家の相棒よ、聞いてください、私は、決してぼんやりテレビを見ているのではありません。でも、はい、これを見終わったら、洗濯ですね。承知しました。

No.289 【鉱石ラジオ】 

 

 最近の子は特に、すでに完成されたゲーム機で余暇を満喫しておられます。一度分解してみたらどうかな。きっとちっとも面白くないでしょう。これが、ラジオだったらどうかな?まだ電子部品がある以上はあんまりおもしろくない。では、機械仕掛けの時計だったら。かなり面白くなってくるはずです。何がどうなったらどこがどうなる、それがちょっとわかるからでしょうか。「わかる」はとても大事な要素です。小さな成功体験や達成感も共通する要素です。
 小学生のころ、仲間内で鉱石ラジオを手作りするのが流行りました。NHKの「みんなの科学」だったかなぁ?を見て。私の実家、広大な畑の真ん中みたいな集落では、こんな小さな音の成功であっても、周囲の音がない静寂に聞こえるラジオの音は、恐竜の化石を発見したかのような、月の表面を望遠鏡で初めて見た時のような興奮を今でも思い出します。
 そして数日後、不覚にも、床に置いてしまったがために、洗濯ものを運ぶ母に踏みつぶされ、落胆に涙したことも思い出しました。その時の感情は、その数年前に、母が愛しのセキセイインコを踏んでしまった苦い感情と重複したことも思い出しました。意外なほど、その残念さは記憶に残るものですね。臨床心理士の友人に話したところ、苦い経験、未達成の経験ほど記憶に残るとか言ってました。久しぶりに鉱石ラジオ作ってみたくなりました。



 

No.290【足し算と引き算】 

 

 9×9=81、これは掛け算。この掛け算を紐解くと、9+9+・・・=81。一見掛け算と思いきや結局は足し算の集合体。だから基礎となる足し算は必要なんですね。とこれは本題とはほぼ関係なくて。試合後の反省では「ここが足りなかった、もっとこうするべきだ。」よく聞く内容です。もちろんそれはとっても大切。さらに、できてきたことができなかったときにはなおさらです。日本の教育界の悪しき?伝統、勤勉勤労日本社会のこれまでの構造からすれば当然の方向性だと思います。
 こんな見方もあります。「これは捨てよう、これは合理化しよう。」。引き算です。イクラ狭いコートといえども、ある事象においては、そうなったら捨てる!捨てることによるリスクよりも、残った事象に対応するほうがメリットが大きいと判断すれば、その引き算は正解に近づくことだってあります。というよりそう信じて次の策へが、このバレー算数を楽しくする方法の一つ。
 そう思って世の中を見てみると、最近のシンプル家電、行事の精選、ピンポイントツアー、引き算から成功しているものは意外に多く、そして、記憶に残ります。英語で、この引き算の答え方を表現してみると「〇〇から○○を引くと?」に対して「You get □□.」。何となくいい表現に感じます。「□□しかのこらない」ではなくて、「君は(君たちは)、□□を手に入れる!」

No.291 【relaxation】 

 

 バレーボールで試合を左右する大きな要素(技術的な観点で)は何?と問われた時、そこそこ経験のある人は「サーブレシーブ(ちょっと昔の人)」「レセプション(最近の人)」私はカッコつけたいから後者。と答えます。次にサーブでしょうか。アンケートや統計を取ったわけではないので感覚です。春高で優勝複数回の男子チームが、練習の4割を「サーブレシーブ」に費やしました、とインタビューで答えていたのを記憶しています。 ちょいバレで、ゲーム中でレセプションの成功率を上げる工夫を紹介したことがあったような気がします。最大の敵は、緊張とも記載したような。
 ここ2.3年、素敵な方法をチームが編み出しました。ボールは二人の間、三人の魔のトライアングルに落っこちます。心のどこかで悪魔がささやくんですね「失敗するから君がとらなくてもいいんだよ」。そんなにうまくもないし自身もないし、弱っちくてハッタリでしかそこに挑めないちびすけが、この悪魔を払いのける魔法なんて実はありません。でも、なんとか、ちょっとでも成功率を上げる方法を選択しなければなりません。
 「うまくいかせたい仲間と目を合わせて笑う」大発見でもなんでもないのですが、気持ちは和らぎます。レセプション時のバックサイドの二人、センターとバックサイドの三人などなど。弱っちいのがハッタリで十分。もっている力を発揮するとはこういうことでもあるんです。両サイドのウイングスパイカー同士がやるのももちろんいいですね。トスの安定しないセッターをみんなで。気が付けばこれで全員(ベンチのコーチ陣以外は・・・この人たちは放っておきましょう)。肩の力を抜いて、熱く冷静に、笑顔でリラックスして、自分が上げてみんなでつなぐ一連の流れを楽しみましょう!
 そして、今年度、もう一つの方法を追加していますが、これはまたの機会に。蛇足な補足:relaxationの発音やカタカナの表記、正確にはリラク「セ」ーションらしいですね。




 

No.292【くねくね病】 

 

 ほかにもあります。①ひよこ病、②はてな病、③四分休符病、④開き病、⑤逆足病、⑥イノシシ病・・・。スパイカーの病気です。助走がちょこちょこは①、スイングした手の先から足の先までがちょっと横向きのはてな「?」は②、横から見ると音楽の四分休符のように、肘が下がり、顎が上がり、お尻が後ろに、ひざが曲がりは③.④⑤⑥はだいたい想像がつくと思います。ネットに突進する⑥は危険ですねぇ。
 病気なので直し方上があります。ところが、かなりの時間がかかります。でも希望の持てる病ですから、必ず治ります。ただし、完治までには何年もかかるので、ひたすら根気強く意識を強く持つ心構えと、処方箋とリハビリが欠かせません。
 基本的には、助走から着地までの一連の理想形を丁寧に、合理的な体の使い方を理解して反復練習する。これに尽きます。スパイクの極意みたいな内容をシリーズでちょいバレに書いたかな。今回は、病のネーミングが面白かったので遊び心で掲載しました。心当たりのある当の本人はちょっとムカついているかもしれませんが・・・悔しかったら治しまひょ。ちなみにタイトルのくねくね病は、すべてがくねくね・・・説明のしようが・・・

No.293 【根切り】 

 

 不思議な樹木を見ました。木の幹の周りの皮がくるりとはがされています。聞くと「自然に枯れさせる」んだそうです。樹木の水分、栄養供給は幹芯ではなく樹皮からだそうで。
庭に1本の木もない我が家。100円で買ってきて植えた針葉樹は道半ばにして小さな台風であえなく倒木に。それ以来樹木はありませんでした。生き生きとした雑草のみ。さすがは雑草会の黒船という状況です。気分を変えて近所の植木屋さんに行きました。
 一本選んで持ち帰るというと、「1か月待て」と植木屋の御主人。根っこ切るから・・・。地中の根っこを一旦刈込み、伸びようとする新しい根がちょっと生えたところで移植するんだそうです。これが強く生きようとする自然の摂理を生かした方法。知らぬとは恐ろしい。また倒木にするところでした。そういえば「トマト」を甘く仕立てる栽培法も「水を極限まで与えない、生き延びようとする力を利用する」ものであることを連想しました。
 特徴を熟知し生かすこと。で、この雑草軍はどーしたら・・・。




 

No.294【生まれ変わったら】 

 

 ほとんど虫か微生物です。
 先日、チームの子が、生まれかわったら鳥だとかやっぱり人間だとか?期待は空しく、100%に限りなく近く、虫か微生物です。そもそも生まれかわりの事実自体考え方なのですが、そういうともっと空しいので、そこには言及しません。
 その限りなく少ない人類として今生きているとすれば、それだけで偶然ではなく奇跡(偶然は20回に1回以下の確立が目安だそうです)。さらに、この体育館でチームメイトとして出逢い、練習するのはもっと奇跡。そしてすばらしいコーチ陣に出逢えたのはもっともっと奇跡。ならばこの一球、何かを得なくてはもったいない。
 後段、ストンと落ちない文章が気になった場合は、二重線で消しておいてください

No.295 【前に進むとは】 

 

 「前に」、これは息子たちが中学で初めてバレーボールを手にしたとき、顧問の先生から告げられたチームのスローガンです。全員素人が集まり無我夢中でボールを追う日々の始まりでした。進学や社会人、挫折や停滞、発起や成果、幸運や不運、先を見たり振り返ったり、色々な時間が過ぎます。
 バレーから距離を置くことだってあります。ここで一つ、とても大事な幹があるかないか、あれば新たな枝葉はいずれ芽を出し、なければ朽ちる可能性があります。このコラムで「自分たちのバレー」についてすでに10回書き込んだと記憶しています。中学、高校、大学や社会人と人生のステージは進んでいきます。自分の考え方に根拠と自信をもち、そこから外れるもの、その信念の邪魔になりそうなものを切り捨てることも大きな勇気。そのための幹が多少未完成でも(それは伸びしろ)、考えることをやめなければ必ず自分の目指すところに近づけます。
 立ち止まったからと言って後退ではありません。振り返ったからと言って後ろ向きではありません。切り替えや切り捨ては、妥協や逃避でない限り、それは「判断」なんです。ということは、進んでいることにほかなりません。前に。もちろん、その先にもう一度その道に戻ることだってあるものです。つまりは、遠回りほど、前に進む。しかも確かで大きな推進力をもつ動力エンジンを得て。
 佐藤顧問の「前に」の縫い込まれたハチマキ、今でも我が家の梁からぶら下がっています。進め!若人よ。「前に」。・・・たまには洗うか・・・



 

No.296【目的と目標】 

 

 カーナビに新潟の寿司屋をセット。片道5時間近い「弁慶」まで迷いとストレスなく誘導してくれます。最近のカーナビはすごい。しかもこれ、日本人の発明だったんですね!それはそれは丁寧に案内してくれます。○○交差点を左折~。
 ここでいう「寿司屋」は目的、「○○交差点」は目標ということになります。どういう到達点に行きたいか、そのための目標を設定する作業は、AIでない限り、ここ体育館では、手作業になります。だからこそ頭をめちゃくちゃに使います。目標は目的よりもずっとずっと、ものすごく具体的にしなくてはなりません。適当な目標では、車は森に突っ込むか、日本海に転落します。ブレーキ踏めよ。その通り、これが「立ち止まって考える」にあたります。結局考えなくてはなりません、バレーボールは。徹底的に具体的にして、その日の練習のこの練習のこのプレーのこういうところ・・・。地道に目標を通過していく者が目的にたどり着く。当たり前のことです。
 新潟の回転寿司、久しぶりに行きたいなぁ。練習さぼるかぁ・・・

No.297 【event】 

 

 最初に買ったCD、覚えてます?その曲は何度も聴きたくて、歌詞を覚えたくて、ジャケットのプリントも気に入って、友達に話したくて。今なら、ダウンロードもできますしそれほどCDを買う意味は・・・
 買ったのには訳があります。たぶん、CDを買ったのではないんじゃないかなと。そんなに深く考えなくてももちろんわかります。買ったのは、留めたかった動かされた心、想い、空気、その象徴としてそのCDを買ったこと。揚揚たる想いだったり残念な想いだったり、いいも悪いも売れたCDの数だけあるんでしょう。勇気が必要なのは、そのCDを捨てる時です。それなりの決意をもたなくては意味がありません。ただのゴミを増やすことになってしまいます。すがる自分を脱却する決意。
 象徴としての意味をもつこと、心に留めおくことの意味をもつeventもこれに共通する根拠をもつと考えています。チームではいろいろなeventを企画しますが、ここにも「留め置く」べきものがあるからこそ価値があり、そのために労を惜しまず準備と運営をし、達成感を共有するものです。残念ながら昨今は感染症対策のために多くのeventが形を変えざるを得ない状況です。ならば工夫を。留め置く工夫。
 「event」から派生した言葉などに「adventure(冒険)」「venture企業(独自の発想や技術で開発する企業)」「invention(発明)」があります。小さな木からも枝葉の萌芽を抑えられないのは、小学生の今が大事な時期であることの表象のように思えます。
 さ、次のevent!

 

No.298【自分たちのバレー11】 

 

「正直なことを言います。
一球に向かう、かける意識、エネルギー、気持ちの表現、たぶん小学生の方が上です。表現に関して、です。内に持っていると言われればそれまでなのですが。
 中学生になると、恥ずかしいのか、周りにそうしている子がいないからなのか、技術優先になるのか、ペース配分を考えるのか・・・
爆発力を感じません。では、誰がやるんでしょうか?ピエロを。やった方がいいのかその表現力ではなく別の方法がいいのか、○○中のことなので差し出がましいことは言いません。でも、1年生で、2年を差し置いてコートを踏むのです。HIGASHIの歴代キャプテンの中で最も苦しみ踏ん張って掴み取った大切な力を、ぜひ2日目に発揮してもらいたいと思います!○○にしかできないこと。」
 送ったメッセージの翌日、彼女を練習に誘いました。ほんの1時間。中学生のバレーが小学生のバレーと技術、気持ち、表現においてチームの目指すものは当然違います。ただし、ポケットにしまったものが本当にそうしてよかったものなのか。深く具体的に考えるべきだと思います。自分たちのバレーを語る前に「自分のバレー」を語るべきです。それを貫きたければ、表現したければ、そうしたほうが良いと判断すれば、その壁に向かって叫ぶ、押す!知らず知らず自分で降ろしていたそ相当に重い碇は、自分で上げよう。

「自分のバレーがなければ自分たちのバレーはない」。

No.299 【オンライン オフライン】 

 

 最近妻がzoom会議とかいうのをやってる。近くで声を出すとにらまれる。WEBカメラの視野にわざと入ってみたりする。で、あとで叱られる。
 オンラインのメリットは、時短、会議設定時間帯の柔軟さ、資料準備の手間を省ける、確かに多くのメリットがありますね。大学に行かなくても必要な知識は得られます。方やオフラインは、くそ暑い(寒い)中、長時間かけて出向き、侃々諤々。楽にできればそれに越したことはありません。
 マスクの向こうはどんな表情なのでしょう?最近では、マスクを外すとかえってその人の判別が困難なことも多々あります。ちょっとした口角の上下、目の潤み具合、体全体の揺らぎ具合や手の動きや距離感・・・総合的に相手の想いや場の空気を感じ取るものです。言葉以外のコミュニケーションをオフラインではとてつもなくたくさん繰り広げています。
 学校に行けないからオンラインで、仕事を効率的に行えるならオンラインで・・・10年先にこの世情はしっぺ返しをくらう。消毒三昧に警鐘を鳴らす疫学者同様、危機感をもたずにはいられません。
オンラインとオフラインの攻防。どうやったらオフラインで実施できるかを創造し、どうしてもできない部分をオンラインで補強する、この原則を銘記しておかないと豊かな心の育成は困難な道に迷い込みます。もっともっと、まずはオフラインでできうる策、(せめて)オンの向こうにオフが繰り広げられているような策、を練ることにエネルギーを投じる必要があると日々感じます。
お、そろそろzoom会議の時間だ・・・

No.300【君がキャプテン?】 

 

 「君が」「キャプテン」「?」タイトルはどこに主眼を置くかいつも悩みます。読者の方の感性で構いません。
 中学や高校でよく目にするのは、チームをグイっと引っ張る牽引力のある猛者、ゆるぎない柱のような人物。究極はジャンヌダルクかスー・チー氏か。考え方も選び方も色々ありますが、HIGASHIはちょっと異端かもしれません。きっとやってみたい子は何人かいると思います。実際にすぐリードできそうな、多少折れても麦のごとく起き上がれそうな子がいるときもあります。過去の年度もそうでした。小学生のチームであるということは、ここからもの事を創造する心の揺れを時間をかけて柔軟かつ強靭な腱のような心に仕立てなくてはならないということです。それには必要な要素(都合の良い要素)がいくつかあると考えています。
 そこそこ頼りないハート。今一つパッとしていない存在感。技術的に圧倒的ではないうまくいかない感じの持ち主。やさしい。時々泣く。努力家。十分回りが見えているとは言えない。・・・いささか「もうちょっと」をリュックに詰め込んでいる気がします。これが主な要素。
 やり手のキャプテンの場合、周りも成長するには条件があります。周りもやり手でぶつかり合うメンバーが多数いること。これは小学生ではなかなか難しい条件です。しかし、「もうちょっと」の集まりである小学生なら「もうちょっとさん」が成長し、周りが「もうちょっとさん」をフォローしようと力を出し、そこからの推進力はいつも予想を裏切ってくれます。こっちのストーリーの方がきっとはるかにおもしろい。

No.301 「暖流」・・・ちょいバレ300号記念】 

 

 バレーからちょっと距離をおいて、でもバレーに関係あって、ソフトにスタートを切ったこのコラムです。今思えば、自問自答から導いた内容も多いことに気づきます。知らず知らずのうちにクッソ熱い想いの爆竹状態になったり、物理学者や哲学者気分の自分がいたり、さぞ不快な思いをされたことでしょう。そんなのもお構いなしの所ジョージや高田純次を尊敬する人物が書き綴った300回分、糧となるのか無形断捨離対象物となるのか。
 世の中にはたくさんのコミュニティがあって、それぞれの趣旨のもとに集散しています。学校、会社、塾、部活、サークル、呑み会? たとえ一人での活動としてもかかわる人たちはいますし、応援者や批判者もたぶんいるのでしょう。みんな大切に思うものを掲げてそこに向かおうとして、一人が、グループが、全体が、うねって動きます。この生錬流(うねり)にうまく乗れば光に向かう、乗れなければその帆船は間違いなく魔の海域を漂うことになります。
 もちろん、うねりなのですから、大きくも小さくも揺れもしますし、帆に穴を空け、マストを折ることだってあります。うねりに抗いながら必死でほころびを直しながら進む船だって決してカッコ悪くはありません。ただし、航行することをやめてしまうことだけは全てにおいて残念。でも、みんな時間が経つとそれでもいいと思ったり、下船しちゃったりします。ところが乗組員は大きな後悔を背負い、しばらくしてこう言います。「すべての辛いことはあってよかった。だから今がある。」
 きれいな名言に聞こえます。ここで考えたいことは、その言葉のもつそれぞれの想いです。その「辛いこと」はあってよかったとするためには条件があります。例えば大地震、これは避けられない辛いこと。では、震災はどうでしょう? もちろん不可避な内容もたくさんあります。準備や初期対応や復興への大きな動力については不十分だったり、事後の努力で想定を超えた成果を見せたりした内容もあります。私たちはいくつもの記憶に残る震災を経て大切なものを学び続けてきたんだと思います。全力で形にしてきたり藻掻いてきたり、考えてきたりしてきた経験者であることが前提条件だと私は思います。
 話がうねってしまってどこに行くのやら・・・コミュニティがうねりに乗るためには、船そのものがどうあるべきかは、いわずもがな。でもその当然のように思えることが、それぞれの価値観、思慮、表現方法の多様性ゆえに、帆の破れた帆船になることは少なくありません。一つの大きな目的に向かうこの船であればこその大切なものを常に心に、言葉に、動きに。
 うねりに船酔いしやすい仲間をサポートしよう。徒党を組んで目論むことよりもしかるべき話し合いをしよう。血豆を作って笑顔でオールをこぐ仲間に気づこう。そして、明日もこの船員たちと船を走らせようという思いに魅かれる表現の仕方をしよう。そしてやさしさと強さをもって切磋琢磨しよう。それを実現し続けるコミュニティが、目的地を見失わない航路を進むと信じます。
 これまでのコラムで、本当の強さ、自分たちのバレー、色々書きました。そこには、子どもたち自身のこと、周りの大人のこと、指導者のこと、チームのこと・・・視点はいくつかありますが、大切なことの大きな柱は、きっとシンプルです。300号を機会に今一度、私自身も振り返ってみたいと思います。子どもたち自身が練り上げる「生き生きと生きる」という大きな流れを確かな心でつかんでもらうために。
 タイトルの「暖流」は、かかわるみんなが、それぞれのコミュニティを豊かに導いていただきたい、そんな暖かさへの想いを込めてのネーミングです。

No.302【エール】 

 

 伊良湖岬(愛知県豊橋市)の海岸でよく遊んだ私には、このオープニングシーンは心をちょっと締め付けられるようなものがあります。もう田舎に何年足を運んでないだろう。あの砂浜で貝を拾い、波頭を跳び越え、海岸段丘を滑り降り、そうだ、化石もたくさん掘っていた・・・。
NHKの朝ドラ、またしてもいい仕事を・・・。とても上から目線ですみません。

 最終回、主人公の女性(末期がん)が海が見たいと言い、夫は立ち上がるのも厳しい妻を支えながら「そうだね、じゃあ見に行こう」と窓を開けベランダへいざないます。ここのベランダからは海は見えません。さするような歩みを進める二人の足元が映し出され、なぜか徐々にスピードを上げる、がんで歩くこともままならないのに。映像はフェードの効果によっていつしか木のデッキは砂浜になり、海岸を波打ち際に向かって走る足元の映像に変化。この映像とBGMだけで、妻の死、出会った時の感情、生きてきたことへの充実感と観ている側への主張を見事に表現されていました。ほんの十数秒間に。
 この演出を練りだす感性、表現力、直接的な説明ではない方が、時には想いを的確に強く印象付けるものだなと教えられました。朝ドラ、またまた侮るなかれ。

No.303 「オフもトレーニング」 

 

 このタイトルの解釈は二面あります。一面は「オフであってもトレーニングを怠るな」、もう一面は「オフそのものをトレーニングととらえよ」です。今回は後者。
 ずいぶん前になります。イアン・ソープはオーストラリアの水泳選手でオリンピックで金メダルを5個、世界大会では11個の金を獲得しました。靴のサイズは35cm、そりゃ速いわけだ。彼は当時、大きな大会の後、2~3か月のOFFを取ると当時話題になっていました。やっぱり才能のある者にはかなわない。誰もがそう解釈し真似をするものはいませんでした。もちろん、才能や体格などもちあわせている時点で抜きんでているところは大きいのでしょう。顔も細長いし・・・。
 スピードスケートの清水選手(小柄な日本人でありながら冬季オリンピック金)は、独特の筋肉の構築方法を採用していました。限界値を超えるトレーニングによって、いったん筋肉の微細な部分を破壊し、再構築する体の仕組みを利用してさらに強い筋肉に生まれ変わらせるそうです。そんなことが実際に? それには休ませる一定の期間が必要でした。
 脳の中には、刺激を細胞に伝達するシナプスという機構があります。生物は成長や日常の営みの過程で、何が必要で何が不要かを都度判断しつつ、そのシナプスが「これは強く伝達する」「これは適当に捨てておく」の作業を行うのだそうです(赤ちゃんの頃から)。これには時間がかかります。このシナプスを間引きのように伝達内容を刈り込んで、効率の良い動き(スポーツだけでなく、日常的なすべての動き)が強化されます。内容によって1日だったり、数週間かかったり様々なのだそうです。
 OFFにはそんなことも脳の中で整理が進んでいると思うと、時にはゆっくり休ませて、否、一見休んでいるように見えて実はこのシナプス刈込作業をさせている、と思えば、安心して休養できます。・・・。ただのんびりしたいだけの言い訳でした・・・。

No.304【君たちに問う! 大会を前に】 

 

挑みきれなかった弱虫の自分を体験したいですか?
それとも、挑みきれた自分を体験したいですか?
自分の通ってきた道を涙があふれても笑顔で振り返りたいですか?
それとも、後ろの扉の向こうに封じ込めてしまう道にしたいですか?
夢の舞台で、大声で自分と仲間に力を与えようとし、楽しもうとし続ける自分でありたいですか?
それとも、そうできなかった言い訳をしている自分でありたいですか?
応援してくれるすべての人に、今の自分を見ろ!と胸を張る姿を迷いなく想像できていますか?
それとも、ピエロになれない、殻をやぶれないまま時が過ぎるのを待っていますか?
今、全力を出す準備ができていますか?
それとも・・・
さあどっち!

全ての質問に、ウソなく、全身の力を込めて「ハイ!!」「ハイ」と答えることで、さも自分はやったとごまかさずに)

答えられる積み重ねは、これらの質問を待ちわびていた人たちとコーチ陣もしてきたはずです。


一人ずつあきらめていっても、一人でも、最後の最後まで表現し続ける勇気、それが今の自分を超えることへの挑戦。その勇気をもつことを自分とチームに誓おう!この先の1週間、コートに入ることのできるのは、そう誓った人のみ。大会のコートを踏むのは、その誓いを表現した人のみ。それができるメンバーであることは間違いないんだから。

大きな大会前に書いたblogの内容です。毎回、こんな気持ちで挑める者はいるだろうか・・・それを根性があると呼ぼう。
 

No.305 「数値に」 

 

 244、249、265、305、10709、何の数値でしょう?
 日本人初の100m9秒台は桐生選手です。10秒01から9秒台を出すまでに要した期間は4年4カ月11日。いいときも悪いときも、彼は何を信じて、何を目指して、どんなトレーニングを積み重ねたんだろう。バレーに比べると短距をまっすぐ走ることは動きの要素としては多くないはず。
その分心技体知は緻密で凝縮されたものと考えられます。スターティングブロックの位置、初動の意識、足の運びや指先まで一つ一つ分析して構築する作業。結果や出口がいつなのかがわからなくても設定して目指し、一つ一つを丁寧に地道に。
 ケガ、病気、環境、練習を阻む試練は頻繁に訪れる。頻繁に。頻繁ということはあるものとして備え、策を準備し、その時を生かさなくては、できなかった言い訳の練習になってしまう。色々な策があると思う。たぶん山ほどあって人の数だけあって、その種類やさらに細かい内容の数だけ掛け算のようにある。まず一つやろう。(例えば)そこでこだわってみるのは数値。
 今、何がどこまでできているか、どうなりたいか、そこに向けてどうするか、で、一定期間、一定の回数やってみてどうなったか。きっと初めはいくらか伸びる。そのうち頭打ちのようになる。それでも続ける(ちょっと工夫をして)。その繰り返しをだれよりも、ライバルよりもやった人が次の目標をギラついたハートで設定したくなる。その人が、その集団が、晴れ舞台を踏む。コロナ渦は決して「暗闇にはしない!」。
冒頭の数値、244cm→サッカーゴールの高さ、265cm→小学校のバスケットゴールの高さ、305→成人バスケットゴールの高さ、10709→二重跳び世界記録の回数、249→我が家の1階の天井の高さ。届くかなあ・・・。数値にこだわって挑もう。
ちなみに、サッカーゴールの広さは最大と最小が決まっているだけで、正式な広さは決まっていないそうです。バスケもラグビーも。

No.306【今日の課題は明日の目標】 

 

 生きている間にだれしも一度は戦争を経験するといいます。第二次世界大戦は50年以上続きました(日本国内では2年半余でしょうか)。世界を見るとローマ対カルタゴによるポエニ戦争は、2134年間続き、1985年に決着だそうです。時は現代、新型の感染症が変異種を生み世界的なパンデミックとなっています。みんな消毒をしています。年十年後、感染に弱くなった人類が無事に生きていけるのか、それよりまず目先の対策の日々です。厄介なのが、この目先、出口が設定されていません。目先の次に来るのはまた目先、マラソン選手が常に「次の電柱まで」を目指して走り続ける話を思い出します。
 前コラムで、数値を取り上げました。数値は目安としてはとても分かりやすいことは明白です。さて、数値をどう使うかの方が、もっと大切です。この数値を「状況」と置き換えても使い方は同じです。(ここでいう状況は、仕事の内容や算数のわからないところやスポーツのほんの一部の体の動きや心の状況などを広くとらえることとします。)
 数値のコラムを読んで、その数値(状況)の使い方を考察して生かす手順に進んでくれるアグレッシブな方が一人でもいてくだされば、書いてよかったと思います。今の数値を知り、目標値を設定し、それを「いつまでに達成するか」を約束し、そのための練習やトライアルの回数を決め、「実行し続ける」、それが生かす手順です。
「今日の課題は明日の目標」は、2020年9月のblogに登場させたフレーズです。感染症渦、一人や少人数で挑む日々は続きます。でも2千年以上続くことはありません。短期決戦の積み重ねを必死になって挑んだ人は、必ず成果を実感できるものです。

No.307 「途中下車」 

 

 天浜線や渥美線は懐かしい故郷の単線各駅停車のいわゆる鈍行列車です。景色も乗降客もよく観察できます。うなぎ屋「やまよし」、植田の大饅頭のみたらし団子~
 さて、コロナ渦、体育館練習再開を前に人数制限による2グループ分けを余儀なくされる事態。ピンチをチャンスに変える、この機会を逃さずできることは? 自分たちのバレーを作る過程では? コーチ陣はこのテーマに面と向かおうと決めました。グループ分けの基準はこう設定しました。
Aグループ→(体育館練習ができなかった期間に)
①最初の目標があまり達成できなかった。
②自主練の内容にあまり自信がない。
③基礎的な技術が不十分だと思う。フォームを人に説明するのが難しい。
④HIGASHI TIME(週末1時間、自分、チームのことを考える時間)をやらなかった。
以上の「どれか」に該当する人。
Bグループ→A以外の人になるわけですが。
①この間、課題を細かく設定して、文字にした。
②その課題に一生懸命努力した。たぶんチームの中で、かなりしっかりやれたと思う。
③過ごし方には自信がある。
④HIGASHI TIMEに取り組んだ。
⑤仲間にモチベーションを上げさせるための行動をし続けた。
⑥スキルアップしたものがあり、見せたい。
以上クリアできていると思う人。  とこんな内容です。
 このお題を子供たち自身がどう向き合うか、表現はあいまいなものが入っています(あまり、難しい、細かく、しっかりなど)。それが振れ幅です。高学年になればBでやりたいと何となく思うんだと思います。この振れ幅をじっくり自己分析して振り返り、その上で後悔や自信の自己採点をし、人生の先輩たちにその採点は本当に自身を生かす基準であったか否かを問うてみるとよいと思います。小学生の化けの皮はそう厚くはありません。
 自分に厳しい子は、A②は「あまり」を「一つでも」と解釈するでしょうし、B②「かなりしっかり」を「一番」と解釈するかもしれません。言い換えれば、Bの基準の中で、一つでも「もっとやれた」と思う項目があるからAを選ぶ子は、自分を振り返ったり、大きな目標に向かおうとしたり、長い窮地に陥ったりしたときに、考え方を考えだせる底力をもっていけるのではないかなと思います。
急行で目的地に運よく着いてしまうことは本当にラッキーなのか、それともアンラッキーなのか。

No.308【石川佳純】 

 

 たぶん今の卓球界においては、伊藤選手が一枚上手なんじゃないかな。チキータを自在に操るハードパンチャー。石川選手は若干線が細い感じがします。新春の全日本決勝戦、1ゲーム目はやはり伊藤選手かぁ。このまま凹んで終わらないで何とか食いついてほしいなぁ。とここまでの石川選手の舞台裏を知らずにこう思ってしまったことに大いに反省する流れが訪れる。
 耐えて攻めて耐えて攻めての水面下の三角波のような石川選手。若い伊藤選手はその上から覆いかぶさるビッグウェーブのように畳みかけた。流れは一見、最終ゲームの終盤まで伊藤選手に傾いているように思われた。見た目もそう。でも水面下は・・・。海面上は浜辺に向かって打ち寄せる力強さは、実は徐々に沖に渦をもっていく海面下の引き潮にもがいていた。最後の最後、この海面下の粘りが決着をつけた。
 5年ぶりの王者奪還を手にした石川選手のことを、解説の元ライバルでチームメイトの泣き虫愛ちゃんがこう言った「石川選手の強さは、後ろから足をつかんだら絶対に離さない強さです。」

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