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No.252 【ローレル指数】 

 

 Onigiriのコラムの後にこれ?
学童期(小学生)の肥満度を判定する計算式です。大人の場合はBMI指数を使います。それぞれ一発計算できるサイトがありますが、大きな違いは次の点です。体重を身長で3回割るか、2回割るか。学童期では3回割るローレル指数ということになります。ローレル指数の中心(基準)は130(身長の数値の影響を受けやすいことから背の高い子には向かないかな)。

 一方健康面から判定する視点はBMI(大人はこちら)ですがBMI22の人が統計上最も病気が少ない数値とされています。多めの人は生活習慣病のリスクが増えます。
 いつぞやのコラムで、体重管理は体調管理の一つと紹介したことがありました。なかなか言いにくいですね。あまり言いすぎるとストレスになるでしょうし。ダイエットを強要するのはリスクも想定されます。非常に書きづらいコラムです。しかしながら、スポーツを安全に健康にさらにチーム貢献を考えた場合、避けて通れないポイントであることは明白です。できない理由を探すことより、どうすればできるかを考えることの大切さは、物事の解決全てに共通です。
 チームの一員であれば、自身のオーバーウェイトが原因の一部で故障、ケガ、動作の遅延に直結することはあります。スマホ依存症、ゲーム依存症、たばこやアルコールの依存症と同じく自分やチームや大切な人たちのために、見つめる機会は必要だと思います。
 一つのとりかかりとして、そのことについてよく調べて実践することは重要だと考えています。科学的な根拠、中立で客観的な見解、自分に合いそうな方法(目的、目標、無理の少ない内容)、必要な周囲への協力依頼も含めて探究することから始めるのが良いかなと思います。2~3週間探究していると、不思議なことにちょっと改善してきます。調べているだけなのに。どこかでオーバーウェイトとスポーツ障害をちょいバレで取り上げたいと思います。
 ちなみに、ローレル指数は → 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)÷身長(m)×10。 筋肉量、男女差も若干あるのですが、学童期のアスリート女子?の場合、低学年は130、高学年は125くらいがバランス的にはいいのかなと思います。私は、キャベツダイエットでいつも?成功します。

No.253 【考えてるから】 

 

 やっぱり言葉にした方がいいな、発信した方がいいな。
 物事について考えなければならない責任を負う時、どこまで深く、広く考えたらいいか悩みます。世の中の事象や意識、感情、思考を表現する言葉は、日本語は特に繊細に存在します。「妥協」、これもその一つでしょうか。この言葉を選択する時、二つの方針があると考えています。二つ目は「出発に向けて」、これは徹底的にやった結果、やっぱり私はこうする!これはこれで悔しいかもしれないけど全力で応援に値する価値ある妥協です。
 さて、一つ目は。自分の今の考えや今後に自信がなく、探られないために外に出さないか部分的に残す。あるいは話を別のところにもっていく。弱っちい自分に気付いているし、許せないから葛藤する。大切なプロセスです。でも、いつまでもやってはいけません。長引くとそれが自分のスタンダードになり、ついにはベターな選択になっていきます。
 「考えてるからいちいち聞かないで」は葛藤中、それもわかりますが、何とかしたいならやっぱり言葉にして、いろいろな考えも吸収して、「だからこうする!」と自信をもって発信した方がいいと思います。自己防衛の伏線をはりつつの「考えてるから」であれば、それは自分自身に負けていること。そんな妥協を繰り返す人は、大切なチームを、人を、自分を救えるとは思えません。

No.254 【付箋紙(ポストイット)】 

 

 水色とピンクと黄色とりんご。この中で最も大事なのはりんご?。
 大きな大会が終わった後、4種類の付箋紙をたくさん渡しました。水色は「GOOD」、ピンクは「BAD」、黄色は「自分と自分以外のだれかへ」、そしてりんご型は「改善策やもっとこうする(アクション)」。以前、PDCAを取り上げたことがある。付箋紙は振り返り、次のアクションをおこすためにとてもシンプルで分かりやすい方法の一つ。
 とにかくたくさん振り返りたくさん書く。とりとめもなく小さなことから大きなことまで時間をかけて。他人にどう思われようとも言葉が出てこなくても、絵でも模様でもいい。感情の表現は詩人ででもない限りでてきようがない。結果や到達点や方針をはじめから念頭に置く必要はない。
 次の作業は黄色以外の全ての付箋について分類(同じようなことをまとめるだけ)、次に登場するのはりんご。このりんごに書いたら最後、約束だ。決意表明だ。だから細かく具体的に。どれくらい細かく? 目標による。遠くの目標ならおおざっぱに。近くの目標なら恐ろしく細かく。このりんごをピンクや水色の付箋の下に張り付ける。
 以前、卒業学年から見せてもらったそれらは、とてもよく書けていた。きっとずいぶん苦しんだんだろう。りんごが目標を達成するための果汁をたっぷり含んでいる。しかしながら、黄色の付箋に書き記された内容こそが、目標や目的に近づく指標であることを指導者が心に焼き付けなくてはとあらためて感じ取らせてくれた。

No.255 【強くなければ・・・】 

 

 まだ一度しか練習試合で対戦したことがないのですが、東日本大地震の直撃に会い、チームメイトをなくされた監督率いるチームと再び対戦できる機会を得ました。溢れ来る想いを胸に、子どもたちの将来像をだれよりも深く考えておられるように思います。
 被災直後、アメリカの空母ロナルド・レーガン号が、余震の危険を顧みず、艦長の判断で進路変更し救助に向かい、艦長自らもヘリを操縦し支援活動にあたりました。トモダチ作戦と呼ばれました。
 第二次世界大戦直後、アメリカのバーク(占領軍の海軍副長)が日本に赴任し、自身の身内が日本軍の攻撃の犠牲になったこともあり、日本を敵視していました。しかし、滞在中の客室担当者(この方も戦争で夫を亡くしていました。)の優しい心にふれ、占領下から脱却への急展開の中心人物となります。東日本大地震直後の救助にいち早く向かった艦長の名は、バーク。上述バークのお孫さん。この話は震災後報道されていました。
 日本の自衛隊(自衛隊の憲法上の是非論はここでは言及しないことにして。)もこの過酷な救助活動の中での被災者への心配りができたのは、厳しい訓練があるが故。「強くなければ優しくはなれません。」指揮者の一言は、とても響く一言でした。目的を達成するための心の強さ、そう簡単には手に入れられません。はき違えた強さや、まやかしの優しさだけでは到底窮地は乗り越えられません。

No.256 【パンツのゴム】 

 

 今、この表現で指し示す物がピンとくる人は、昭和生まれの昭和育ち。平成っ子は「なんすか?それ。」我が子が明治村に展示されていたダイヤル式の電話を見て、かけ方が分からなかったのも腑に落ちたことを思い出します。昔のパンツはこの平たいゴムをパンツの腰に当たる部分に通して結んで使用していました。それがこのゴムの代名詞となりました。
 視覚支援についてはちょいバレ86で意味合いだけ紹介しました。先日、体育指導(バスケ)されている方の指導研究の機会がありました。パス回し、次の予測や動きの誘導、認知発達に障害のあるお子さんたちの指導場面でしたので、なかなか難しい状況になるものです。例えば、そのボールの筋道、流れをこのパンツのゴムで表現したらどうでしょう?ICT機器を使えば画面、二次元的に見通せるかもしれませんが、より具体的にとなれば、このパンツのゴム作戦は有効な手段の一つと考えられます。
 多くの球技に置いて、ボール、羽根、の道筋と競技者の動きの連動性向上は、得点率を上げ失点率を下げるために、ボールや羽根を操作する技術と併せて必要な内容です。パンツのゴム、昭和からのⅤ字復活、脚光を浴びるその存在。ちなみに、あまり強力でない細くて安いのがいいと思います・・・わざと手をはなす大人げないコーチがいるから・・・

No.257 【smile】 

 

 「こーち、いつも笑顔でいるようにするやり方が分かりません。」→「ずっと笑うなんて変でしょ?楽しくもないのに。だからうれしい時に思いっきり表現すればいいんだよ。でもね、もう一つ、笑顔には意味がある。それを使えるのも技術。チームに力を与える方法。それができるようになるには、練習の時の工夫が必要。まずは自分で考えてみて。」たしかにこの子はコートの中で笑顔がとても少ない子。自分でも葛藤してるのはわかります。きっと自他チームの元気印の子を目標にしている心の内なのでしょう。表現には勇気必要です。
 さて、「笑顔 smileのスポーツにおける効果」については、何となく想像はつきます。実証実験、検証ももちろんたくさんされています。大学生対象ですが、陸上短距離のタイム短縮(平均0.18秒)、野球のピッチャーの球速up(平均12km)など。胸鎖乳突筋を弛緩させる動きのため、肩の動きをリラックスさせる効果があります。リラックスでは脳にα波、同時に活発な思考や集中力を上げる効果があるβ波も。スポーツの緊張場面では持って来いの方法ではないかと思います。前向きな方向に自分や仲間を向かわせる作用もついてくるとなれば鬼に金棒とはちょっといいすぎでしょうか。バレーボールにしろラグビーにしろ、次の1点に向かう気持ちが早くて強くて一つになっているチームが風を味方にします。
 さあ、笑おう!練習ですべき工夫とは?チームの元気印に慣れるか否かは本人の勇気次第。
 ちなみに、ニコニコマーク?スマイル(スマイリー)マーク?商品化しない場合においては、特許フリーだそうです。ハーベイ・ボール氏作。

No.258 【プレイボール】 

 

 「プレイボール」の声で野球は試合が始まります。これは「ボールゲームを楽しもう」という意味です。・・・わがチームと同じ練習ホームのグランドでは少年野球チームが躍進の道、石ころだらけの道を歩み続けています。その監督さんの言葉です。なんとなく素通りしてしまうこの審判の試合開始の一言。そう思うと吹笛で開始されるバレーもバスケも陸上のピストルも、期待と笑顔ではいられなくなります。
 テニスは「the best of one set match~」素晴らしいゲームを!みたいな意味合いでしょうか。フェンシングは試合前の選手への敬意のかけ声「Rassemblez! Saluez!」(読めねえ)、武道は「礼、はじめ」、例を尽くすには真剣でなければなりません、一生懸命でなければなりません、心技体知全てをすくさねばなりません。そのことを始めよと宣言しているんですね。とここで「box!」はボクシング、「ファイト!」ではなくこういうそうです。意味は「殴れ!」おっと・・・。
 どなたか、もっと調べてくれる方、いませんか? 終了の合図も。自由研究にもなりそうです。ちなみに「ノーサイド」は、日本だけです。

No.259 【塩梅】 

 

 寺子屋の資料に「科学的に物を見る目を身に付けてください。理科的な視点、体育の運動分野の知識、数学の論理的な思考力(こうだからこうなるんだ)と分析力、国語のそれらを整理する力、全部が必要です。」とあります。昨今の社会情勢は新型のウィルス対応で右往左往しています。No.222【勘 2】では、時間の進み方の実験についての条件設定について触れた記事を載せました。「同じ条件下」での分析が正確な情報につながります。
 この条件を社会情勢や未知の事象に対して整備するのは至難の技です。とはいえこの手の(新型ウィルス)対応に向けては憶測やフェイクニュースに惑わされない冷静な対応は最低限のマナー。敵はウィルスではなく、対外的な目、人の心理。3.11の風評被害に地元産業関係者がどれほど辛い思いをしてきているか。公正な分析結果が出ているにもかかわらず(出ていないから難しいウィルス対応とも言えますが)。
 致死率、重篤に至る率、拡散スピード、罹患率、発症率、分母と分子の数はそもそも合っていますか? フィルターの条件はそろっていますか? インフルエンザの方がけた外れの脅威です。インフルエンザは治療薬があるじゃないかと言われるかもしれませんが、ウィルスの増殖を抑制するのみ、インフルエンザや風邪を根治させる薬は開発されていません。治すのは自身の自然治癒力です。マスコミが大好きな悲観的なバイアスに誘導されない探求心は常にもっていたいものです。決して楽観視せよという言うことではなく、適切な判断をという警鐘です。「大丈夫でしょ」「というより「こんな問題もあるし、こんなあんな危険性がある」と発言する方が注目されます。でも、その対応、丁度いい塩梅でしょうか・・・

No.260 【作文】 

 

 2020オリンピックyear、苦々しくも新型ウィルスの影響で、全国的に人が集まる機会の自粛に伴い、卒業生大会全てが中止になりました。トラチャン(トラブルをチャンスに)とは常々強く心に銘じてきた言葉です。自宅でコソ練、やりようはあるものの超一流のアスリートが多くの専門家の支援を得て維持することよりもむしろ難しいのかもしれません。しかし、根負けや妥協は次への推進力を減退させます。せめて脳内はアクティブに!
 6年生に宿題を出しました。作文。バレーを始めたころ、チームに入ったころ~これまでに自分が「得たちから」「夢」「大きな声で言いたいこと」・・・。時間はたくさんあります。でも実はそれでも足りないのが時間です。広く深く、つなげて、まとめ上げようとするときりがないくらいに考えることと書くことは時間を必要とします。でも、これもチャレンジです。作文が苦手? 考えようとする決意が貧弱なところから扉をぶち明けなくてはいけません。根性が必要です。(参考:27)。書き始めていると、いつしか網羅したくなったり、その時の想いをちゃんと的確な言葉にしたくなったり、人や自分に伝える効果的な方法を探ったり、おや、こうなればしめたもの。(参考:116)。脳内整理ができている者は、自他への問題発見能力、解決能力が高いことは間違いありません。
 湧き上がるモチベーションが鉛筆を走らせます。

No.261 【自分たちのバレー 10】 

 

 底力は、生かす時に対峙して発揮し、そのほんの少しの差がことによれば生き死にをも左右し、世界をも変える。それは年齢には関係ない。もともとその大きさなんて計り得るものではない。
 節目の時、若者であれば卒業、大人であれば就職、結婚、出産、新天地、親しい人の死、災害、思いのほか多く見方によれば険しい。受け止めるちから、立ち向かうちから、心技体知全力をもってしても穿つことができるか否か。甘んじて、意図的ではないにしても下に引っ張る言動をするか、強い意志と振り絞る策をもって手を繋ぎ上に向かおうとするか、その差は間違いなく生かす時に一閃の光を放ちあう。遠くにいても、「自分たち」が鍛え上げてきた魂の鼓動が、その閃光を見逃すことなど決してない。それを成し得るために歩むべき道こそが自分たちのバレー。
 きっと、バレーのみでなし得るものではないことは百も承知。しかしながら、チームスポーツを通して、仲間との活動を積み重ねて、出逢ったこの時間を共有してでき得ることに意味を持たせることは、子どもたち、特に節目の通過点では「ちから」になっているものと信じる。ほんの僅差で本当の強さをもって生きること。そのための1球が、たった1本のブロックフォローにある可能性だってある。
 生かす時を得てこその本当の強さ。揺ぎ無く、ゴールなくそこに向かおうとすることこそが自分たちのバレー。

No.262 【卒業する仲間へ】 

 

《卒業する仲間へ》2020.3卒業の仲間へのメッセージから 


 たぶん、みんなはしばらくしたらこの想いは忘れてしまうでしょう。それでいいと思います。中学生になったら、高校生になったら、社会人になったら、「お母さんになったら」、小学生の時何を考えて、どこで迷ってどう乗り越えたか、そして何をつかんだか、手に入れたか、それは思い出せないと思います。
 ノートに何を綴ったかな。ビデオになにが映っているかな。そこを手繰ると自分の変化、仲間の変化に気付きます。振り返ると自分と自分たちがみんな何段も上のステージに上ってきたこと、枝をかき分けながら上に登ってきたことに気付きます。少し具体的に(この「具体的に」は何度も登場しましたね。)思いを巡らせてみましょう。自分の凹んだ時とその時何をしたか、自分や仲間のエネルギーが爆発したと感じた時はどんな道のりの先にあったか。材料は山ほどあります。ミーティング、相談、けんか、ポストイット、課題シート、バレーノート、そして何よりコートの中での響き合いと高め合い。この経験は宝物です。
 思い出せないけどみんなの生き方の「根っこ」や「幹」になっているはずです。私たちはそう想いを込めて一球一球ボールを出しました。何万回も。だから、残念ながら「無い」ことにはできない期間と時間をHIGASHIで過ごし、大事にしていることを心と体に染み込ませてしまったんです。この染み抜きは不可能です。
 こんなにもチームスポーツの経験を通して、泣いて泣いて、もがいて苦しんで、考えて考えて、つかんで、押し出して、放って、跳ねて、飛んで、無理にでも笑って、心底笑って・・・、そんな小学生は、ここHIGASHIをおいて他にはいないはずです。そこから「得たちから」は、「本当の強さ」を身につけるちからに間違いなくなっています。みんなを見ていてそう思います。みんながそう証明してくれました。
 さて、ここからです。みんなの生き方を見てみたいと思います。自分を輝かせる姿、仲間を救う姿、大切な人に勇気を与える姿、難しいけどできる人たちだと感じます。HIGASHIはそういうちからを育てた場所だから。
 三つ約束してください。一つは、両親に感謝の気持ちを長~い文章で伝えてください。仲間にも。二つ目は、HIGASHIで得たちからを整理してみてください。三つ目は、時間をかけて本当の強さを身につけてください。
 最高にいい時間でした!青春は、ほんのちょいの間、挑めよ!

No.263 【扉を開けたら】 

 

 ライバルがいた!自分よりも一回りも二回りも大きな。すっと振り向いた笑みに複雑な感情、感覚を得たことを思い出します。
 中学生の春。顧問の先生が異動し、強豪と呼ばれたチームのスタートは、1か月近く活動がなく、それまでの恐怖政治から解放された奴隷には自ら考えるというちからが育っていませんでした。
 しかし、その仲間はこの1か月を、自分に、ライバルに差をつける絶好機として挑み続けていたのです。彼のあの時の表情は、いつでもスタートを切れる、スタートを楽しむ、自分を試して、仲間より前に出てみたいという期待、勇気、自信で圧力なべのふたを開けんばかりのものでした。
 そうだった・・・甘く見ていた・・・悔しいけどこの時間は取り返しがつかない。さらに、その笑顔をもつ者は他にもいました。ごまかそうにも化けの皮はすぐにはがれてしまいます。
 考え方です。まずあるべきは「自分がどうなりたいか」「そのために何をするか」、ちょいバレには、想いを込めて挙げてきた考え方や具体策が「ちょい」あります。部活やクラブができない期間こそ、考えることを止めてはいけません。誰かに考えてもらって与えてもらうのを待っていてはいけません。自分とチーム全員が、扉が開いた時に「待ってました!」と自信と期待をもってあの時の彼のような笑みを!
扉が開いた時に、やっとバレーができるという単なる解放感だけに終わるようでは、あまりにももったいない。部活やクラブチームの一員としてあるならば、そういう仲間を私は仲間とは呼びませんし、ライバルとは呼びません。

No.264 【課題シート 2】 

 

 バレーノートを自分なりに工夫して緻密に、到達度をちゃんと把握して、次の目標と手立てをきちんと構築している繰り返しを小まめに行っている人は、それを続けることが大きな力になるものです。

 今回の課題シートは、一つの項目(チャレンジ)について、PDCAをシリーズみたいに積み重ねるタイプのシートの使い方として例示してみました。これが使いやすい使いにくいの評価の前に、大切なことは、自分なりに、何をどうしたいか、それを達成するための努力をより効率的に、積み重ねようとする策を考え続けることをしようと思うかどうかだと思います。さらに、チームの場合には、その発信がモチベーション、チームメイトの高め合いにつながるはず。チームを高めるのは一人一人の勇気、気持ち。

 Let’s begin!

No.265 【課題シート 3】 

 

 Let’s begin! 企画の続きです。少しとっつきやすいバージョンの紹介です。テレビやネット、ゲーム・・・それも過ごし方の一つですが、ここはちょいバレの世界。絞り出せるものは形に。

No.266 【6年生の自覚】 

 

 ちょいバレは、誰のために書くものか・・・決まっていません。だからちょいバレなのです。方向性は間違いなく大きな矢印で発進しているつもりなのですが、的に刺さるかどうかは、実は的にもその向きが意図的に矢の方に向くことが必要なのは、弓道と違うところ。さらに、この弓矢と的の間にはつむじ風がいつも吹いています。時には嵐、それすらもチャンスとも思えます。
 さて、6年生の挑戦については、別のコラムで二つの意味(内容)を示しました(149、165)。2020年の今は、新型コロナ対策で数々の不都合の猛威が吹き荒れています。当然、スキル、バレー勘、情熱、維持は相当難しい。待っているとどこかのお人よしがヒントを与え続けてくれて、引っ張り上げてくれて・・・それは低学年までとしましょう。特に6年生は。最高学年とは? 先輩たちが手渡してくれたバトン、君たちはどのように受け取ったのだろう。言葉にするとしたら、今、この状況下で、ここから先に向けて、「何をどんな気持ちでどうしたらいい」ことだと思いますか? 考え始めた人はいるだろうか? 実行に移し始めた人はいるだろうか? 先に行く誰かを見てから自分のエンジンに点火する? 必要なものは、考えるべきことを自分の意志で考え始め、チームのために発信する勇気、続けてみる根気根性。
 あとで言い訳をする準備をしていることになっちゃっていないか? 全力を試す時はいつなのかを、stey homeのこの時だからこそ考えられる自分になっているかな? さあ、6年生諸君!チームのみんなにモチベーションをバリバリに持たせる方法を脳みそを全力で使って考えてください。クラブチームはプレイパークではありません。大変なことも試練も背負い、課題解決に向けて挑み、道を拓く錬成の場です。その課題に今、この瞬間に答えを出すべく全力を出してほしい。6年生の自覚とはそういうものです。
でなければ、伝統はここで途絶えます。失敗を恐れるなかれ。

No.267 【ボールを呼び込む】 

 

 132のコラムで、「レセプションの選択肢」のコメントを載せました。一番大切な選択肢は「挑戦」であることも強調してあります。洗練された卓越した技術の到達点に至ることは、たぶん、永久にないと言えます。到達したと思えた時点で進化や成長は止まるからです。それ故自らに目標を課し、たくさん考えて練習して、その過程でたくさんボールと対峙します。
 ならば、もっと自分にボールを!はいい心構えだと思います。練習試合や試合においては、二つの「呼び込む」意義があります。一つは、スキル向上のため。もう一つは、戦略としての呼び込み。一つ目はとても分かりやすい。でも、面白いのは二つ目です。チームとしてのウィークポイントを得点につなげる確率を上げる技。これを練るのは難しいほど達成感はあるものです。
 一つの状況設定として、味方にレセプションの苦手なメンバーが6人の内一人だったとします。さて、策は・・・。「後の先」は、武道で使われる表現です。相手に動かせておいて、予めそう来るであろうことを予測した対応から、有利に持ち込む戦法です。つまり、剣や拳をそこに打ち込ませなくてはなりません。チームとして打たせたいところに打たせるボールの呼び込み方。苦手な一人の演技力(苦手意識を前面にだすのではなく、苦手だけど頑張ろうとする緊張感を演じる)とコート上の隙間の作り方(そのメンバーをフォローするぞと言う意識をサーバーに意識させる、でも、作戦とバレない演技力とちょうどいい隙間の作り方)、初動意識スタートのタイミング(サーバーがこちらのコートから目が離れた瞬間)。苦手なメンバーが、正面なら何とか上げられるのであれば、全体としての成功確率はちょっと上がります。どこに打たせたいか、そこに呼び込むチーム力、ゲーム形式ならではの練習です。
 では、二人いたら? 三人いたら? おいおい、そんなにいては困りますぞ、個人技上げなさい!

No.268 【ハードル】 

 

 友人に学生時代、陸上のハードルの選手だった人がいます。トップアスリートになると、頭の高さが変わらずに、ハードルを超す瞬間は高跳びのバーを越える瞬間と同じく芸術的なフォルムに魅せられます。彼もまた腰痛持ち。体のゆがみは多くの問題を誘発します。
 職業柄、側弯(脊椎のねじれ)のお子さんに出会います。原因は様々ですが、一つは、筋肉の引っ張り具合の上下前後左右の差からがあります。ちりも積もれば、です。私たちも同じく、利き手、足の差によるバランスの失調は当然あります。特にこのハードル競技においては、左右の筋肉の使い方に差が大きく、全身のアンバランスな筋、腱、骨、神経、を作ってしまいます。
 話はトップアスリートに戻します。練習メニューを聞くと、ハードルを実際に全力で跳ぶのは、1週間に1日。残りの日は、基礎練習、体トレ、体の左右のバランスを整えるトレーニング、意識のトレーニングだそうです。さらに、利き足ではない逆のトレーニングも行うそうです。そういえば、あの室伏選手もハンマーを逆回転で投てきする練習もしていました。
 反対の動き、左右バランスを整えるトレーニングは、新たな発見や、けがの予防にもつながることは得心が行きます。そういえば、ちょいバレで「回転軸」を取り上げたときに関連した内容を記載したような…。
逆、反対、裏の練習メニューは、いろいろなハードルを越えさせてくれるヒントになりそうです。
 (補足)ハードル競技(陸上)・・・一般男子110m、女子100m。ハードルの高さはそれぞれ106.7cm(高っ!)、84cm、世界記録:12秒80、12秒20。男子の世界記録を100mに換算すると、11秒64.跳び越えながらなのに・・・驚! くぐってもはみ出しても失格、ぶっ倒すのはあり。でも、確実にタイムは遅くなるそうです。

No.269 【イメージの差】 

 

 今回のテーマは、書く前にこれほど困惑したことのないような状況でした。というのも、まず、この「イメージ」を辞書(WEB)で検索すると、何を言っているのかとてつもなくわからないことがわかったからです。もう検索しない。
 自分の動きが、こうなっているであろう、こういう意識がいいはずだ、エキスパートの動きはこうなっているからそのままコピーしよう、には落とし穴があります。修正するには、イメージの持ち方、意識を変え、トライすることにヒントがあること「も」あります。
 今はケガが恐ろしくてできませんが、スキーの競技練習でエア台からのジャンプ練習をしていた時に師匠からのアドバイスの一つがこうです。「エア台で踏み切るのではなく、エア台から跳びだした30センチ先で踏み切ってください。」「はぁ?」何を言ってらっしゃるのか? 空中じゃないですか? そのアドバイスがその後のエアの感覚を大きく変えることになります。もちろん、実際に空中を踏み切っているわけではありません。人の意識と運動の表出には時間差があることは以前にも掲載したことがあります。空中で踏み切るというイメージは、ジャンプのタイミングをエア台の先端ぎりぎりまで使うことに真意があります。確かに、自分のエア台上の雪跡を見ると、その前に踏み切っていたものはエア台先端50センチくらいを残し、途切れていますが、改善後は先端近くまで跡が残っていました。結果、板のそりの反発も加わって、ふんわり上に高く、飛距離を抑えて着地後のターンに入りやすく、いいことずくめに心が躍りました。
 イメージのもち方、もたせ方、一見、はぁ? な内容でも、理論があり、意識を変えることで動きに効果が現れることはあるものです。
 ちなみに、その後、このイメージは逆に、邪魔になりました。理由はおわかりですよね。

No.270 【こどもの日】 

 

 二度あることは三度ある、三度目の正直、故事成語、四文字熟語にはだいたい表裏が存在し(準備され?)ているものです。「こどもの日」とは、1948年5月5日「こどもの人格尊重」を主旨に制定されたとのこと。由来や語源についてはここでは置いといて…。母の日…立場を逆にすれば、子どもの誕生日こそが母の日であり父の日でもあります(父の日のインパクトは少ないのは致し方なし?)。そんな見方をすると、こどもの日も母の日、父の日。
 親が子どもに願うたった一つのこと。幸せに生きてほしい。そう強く思わせてくれる節目節目がこういう記念の日にもあるんだなと年を重ねるごとに思います。苦心していること、うまくいって嬉々としていること、葛藤し続けていること、策が奏功したこと、お先真っ暗なこと、光が見えたこと、できなくなったこと、以前よりできるようになったこと。失敗や挫折も転じて乗り越えてこその幸せです。そこをどう切り抜けて切り開いてほしいのかを祈るように、正解なんて教えてあげられない無力さをもちながら、でも、想う気持ちを精一杯もって幸せを願う日。それがこどもの日であっていいと思います。
 こども自身が、自分が幸せと感じ、そこに親や支えてくれている人たちがいて、その人たちにも親がいて、支えてくれる人たちがいて、その人たちが「幸せだな」と思えることを幸せと感じられるように生きること。おとなもこどもも自分と、自分ではない立場から考えることができること。そんな一日でありたいと思います。
 蛇足:「世界こどもの日」は11月20日なんだそうです。

No.271 【アナザースカイ】 

 

 おそらくは造語。しかしながら秀逸な表現だと思います。別の居場所でありながらつながっている空をもってきているあたり。違う居場所(アナザー)には自立、葛藤、孤軍奮闘を思い起こさせ、スカイ(空)は希望、我武者羅、まい進、欧が、夢…などを思い起こさせます。
 自分を作り上げた原点がある場所、ここからスタートを切る場所、再スタートの根拠を得る場所。単にリフレッシュとは違うところは、たとえおぼつかなくても、「志」が存在することだと思います。もしかしたら、現実的な場所でないかもしれません。想像の世界、瞑想のような時間、考え方の置き所という場合もあるかもしれません。
 あるものは、不安と志。だからおぼつかなくてもと表現します。失敗や挫折感も想定の範囲内。考え方と策で扉を開けていく練習の場所とも言えます。冒頭で自立といいましたが、孤立ではなく自立です。他があるから自、周りがあり人がいるからこその自。
 だから、オロオロすることはありません。可能性の開拓を楽しむチャンスの到来です。きっとアナザースカイを過ごしてきた人は、自信と技をもって夢を語り、足跡を語り、大きなおにぎりを口にしながら輝く目しっかり歩む先を見て、大きな一歩を踏み出すんだろうな。
 折角ならアナザースカイへの旅立ちは晴天の日がいい、達成の根拠を求めていざ!

No.272 【naming】 

 

 ちょいバレの「寺子屋」の解説めいた資料の中で、「ことば」がもつ機能について記載したことがあります。「共通にそのものが何なのかを明確にする」「コミュニケーションの手段」「行動調整の機能」の3つを大きな柱として挙げたと思います。「コーチ~、準備運動何しますかぁ?」寝ぼけた声で。「とりあえず走っといてぇ~」と適当な返事。我が座右の銘の一つである「適当」を軽んじているわけではありません。「走る」、その前には「歩く」があり、「走る」にはjog、run、sprint、順番にスピードが増し、最後は全力のsprintです。前置きが長すぎました。
 感染症対策や働き方改革という旋風にあおられ、ジュニアスポーツ(地域のクラブや部活)のありようも変化させざるを得ない昨今です。とはいえ、目的や方針は変わることのないチームは根がしっかりしているといえます。ただし、配慮事項や効率の良い練習はひと工夫も二工夫も要求されることになります。
 時間の使い方…少ない時間で効率よく。当たり前といえば当たり前ですが、練習や準備運動の内容に全部「名前」を付けるのも工夫の一つです。アレンジした練習ドリルにも名前を。できれば低学年の子にもすぐわかり、内容がイメージしやすく、面白くて・・・
 ネーミングコンペでもやってみようか。名前(namae)英語でname、なんか似てる。

No.273 【maind map】 

 

 以前、「目標枠」の作り方(サンプル)をチームに提示したことがあります。それとは別に、「課題シート」(ちょいバレ掲載隅)は、その一つ一つの細かい一部分を切り取って、取り組むためのシートです。この「目標枠」中心に最終的な目標を書き込みます(野球部なら甲子園、バレーなら日本代表、もっと身近なところで英検3級合格、などそれは自由)。そこにたどり着くための自分に必要な項目をその周りに第一階層として書き込みます。さらにそれぞれに関連する必要な項目をその周りに。第2、第3階・・・といった具合に。
 形としては、大きな木のようになったり、9×9の81枠のようになったり・・・。達成すれば葉っぱは色を変える。枠は色で塗られる。その木がすべての葉を紅葉させたら、次の木を育てます。枠が全部色で埋め尽くされたら、次のタイルを敷き始めます。
 書き始めは、あまり関係ないかもと思えることも書き込んでもいいですし、現実的ではないものも書(描)いても構いません。でも、具体的に考えていく中で、「ちがうんじゃないか」に気づいたらどんどん修正します。そう、ここでもやっぱり「具体化」が必要です。そうでなければ評価や達成感に結びつかないため、本当に到達したか否かがぼんやりしてしまいます。ということは、うまくいかなかったときに、どこに戻ればいいかがわからないことになります。かなり細かいところは「課題シート」や「バレーノート」の出番です。
 小学生の場合、企業や大人が目標や新規事業を創造的に展開するための考え方や思考のためのツールとして使うような大々的な複雑なものは面白くありません。一枚のモザイク画をつくるような、モビールを思い浮かべるような、大きな木に葉っぱや実がついているような、見た目にも楽しいものがいいと思います。
 大谷翔平選手の高校時代の目標達成への道のりの整理の仕方は9×9方式でした。頭の中の整理の方法としてマインドマップとして紹介される方法のアレンジです。

No.274 【ドライブの効果】 

 

 中垣内氏が全盛期にこうおっしゃっていました。「スパイクにドライブをかけようと思ったことはないです。ジャンプがしっかりできて、フォームやミートがしっかりできれば、自然とドライブがかかります。」 きれいな合理的なフォームと確実なミート、それがなかなか手に入らないから苦労します。
 高速のヒットからディグ(設置)までの回転数は、実はそれほど多くはなく、せいぜい半回転~2回転です。スピードが遅い返球重視のヒットは除きます。この状況で無回転との落下地点の差は、ほんの少し。あ~残念、色々調べました。数理的に、無回転の場合の初速、打点高を定数として、回転数による設置までの距離の変化。私の力では無理でした。テニスのストロークではその答えを出されておられる方を発見しましたが、バレーのスパイク、サーブに関しては、今の時点では、見つけられていません。ボールの重さ、抵抗、直径などの条件が違いすぎます。経験値的には何となくわかります。でも、何としても科学的に分析しておきたいものです。
 数学の得意な、物理の得意な、そうだ、卒業生のS先輩、回答お願いします!

No.275 【敢えて】 

 

 この春、人事異動によりほとんど初対面のメンバーたちと組むことになりました。探り合うし、気も使いあうし、でも仕事は待ってくれません。そして、しばらくすると、いろいろなことが見えてきます。大きな目的をもつにあたり、ここからが子供と大人のちがいです。別に子供の思考を軽視しているわけではありません。単に、子どもはその「初期の」練習中というだけのことです。ちょっと考え方の合わない人を避け初め、合う人と引き合います。磁石のように。勇気のある、根気のある、考えることを丁寧に行う大人は、練習中の子供とそこが大きな違いです。
 いつもと違うメンバーとプロジェクトを推進してみる経験は、物事の本質や大きな目的を見据えて、捨てるものと大事にするものを共有しつつ、メンバーの個性を光らせるというバランスを、メンバー全員が意識しなければなりません。子供は今まさにその練習の初期。考え方を示してあげるのは、大人やちゃんと考えてきた先輩たちの役目です。
敢えて、いつもと違うメンバーとパスをする、いつもと違う人の隣で応援する、初めてのメンバー同士で弁当を食べる。「敢えて」が開いてくれる道を何度も通る子供たちは、自然にそこに飛び込む勇気と根気と考え方を身に着けるに決まっています。「敢」は、亀の甲羅や牛の骨を焼いて得られた割れ目を無理矢理両手で押し曲げた象形文字だそうです。

No.276 【馴化】 

 

 息子夫婦を訪ねて新潟の長岡に。花火は今年中止。初めての長岡の夏の夜の熱気はお預け。「夜は蛙がすごく鳴いてるんですょ。」とお嫁さん。全く気が付かなかった。というより懐かしくて心地よい合唱。そういえば、蝉の声(鳴いているわけではないので芭蕉風にいうと)は、私の田舎ではクマゼミの勢力圏なので合唱の大きさは小学生のNコンと年末の大人第九くらいの差があります。でも、全く聞こえている意識はありませんでしたし、例えるならば、心地よいそよ風と同じ。
 騒音も慣れてしまうと集中して聞くべき音とは認識しなくなるのが生物の脳。電車の音はかなりの音量ですが、気持ちよく寝てしまいます。波打ち際の波の音もかなり大きく人の会話は聞こえません。でも軽トラの荷台で寝てしまいます。命にかかわるような危機感がない限りそうなるのが自然のこと。
 あんなにいつも機関銃のように叱られているのに、なんであの子、平気なんだろう? どうしてこの子、やらないんだろう? 無視しているわけではないんでしょうけど。の疑問の解答の一つにこれがあるとしたら・・・。その子は、受け流すこと(意識を向けないようにすること)が楽に切り抜ける術であり、遮閉することが身を守る術であると自然と脳がそうさせているのかもしれません。
 久しぶりにあの慟哭のような波が、太陽を背に力強く叩く音を聴きにいきたいなぁ~。伊古部の海岸に。

No.277 【是々非々】 

 

 日本の選挙制度には、「小選挙区制」「大選挙区制」「比例代表制」の3つ。都知事選が迫る昨今、現在の世情をだれがどう策を講じてくれるのか、塵の一票が山となる時その先の私たちの生き方を左右します。比例代表?党を選ぶ?同じ党派は同じ意見?中学生のころにはなかった比例代表制ですが、党や派閥は存在していました。そこでの疑問は社会の先生が説明するまでもなく釈然としない感覚はだれしもあると思います。
 「とても大事な物事に対する考え方が似ている」で力を合わせようというのが本来の利点。ところが。その力を合わせる大きさを優先させるがあまり、判断までゆだねてしまう、あるいは迎合してしまう、傷をなめあってしまうようでは真理に近づく道はどこかへんてこな方向に向かってしまうでしょう。政治なら、大きな会社なら、動かしようがないのかな。諦めに近い空気があります。小学生のクラブチームならどうでしょう。中学の部活なら・・・。
 子供たちはそんな大人より自由な意見を言います。というか言える環境でなくてはなりません。親に対しても、コーチに対しても。それを引き出したり、考えさせたり、考える根拠や気づく五感を常に意識させる練習状況やチーム運営は大人の水面下の役割です。その子供たちのコーチ陣、親、応援者は、背中をみられていることを忘れてはなりません。派を作ってはなりません。迎合してはなりません。自由で根拠をもった是々非々の精神で判断をしなくてはなりません。話しかけていかなくてはなりません。もちろん、その感性や基準はそれぞれちがうからこそbetterな道を開くことができます。
 子供達には結果の道そのものではなく、そこに至る考え方を伝え続けなくてはならないと考えます。だから、子どもたちは色々な相手と対人パスをします。いろいろなメンバーと3レシをします。合宿では違う学年と同じ部屋に泊まります。オフラインでは成しえないことばかりがここにあります。自戒をこめての一稿。

No.278 【課題シート4】 

 

 各自が、自分の今と向き合って、次にどうなりたくて(どうしたらよくて)、そのためにはどうするか、評価して次につなげて・・・。

​ すでにバレーノートや課題シートなどいろいろな提案をしてきましたが、正解はありません。やらないよりはやったほうが、やり続けたほうが、格段にステップアップすることだけは紛れもない真実です。課題シートの別形式を用意してみました。ただの思い付きです。正解ではないです。選択肢の一つです。どんな形式が、自分にとってわかりやすくて、つづけられそうか・・・。

No.279 【ファーストペンギン】 

 

 その氷の割れ目にはたくさんのペンギンが集まり、中を覗き込んでいます。深く暗く冷たい海中を。叩きつける波しぶきの先を多くのペンギンが、今にも飛び込まんとする躊躇を自らの柵にして身を乗り出しています。そこへやってきた1羽が、果敢に飛び込む光景はしびれます。そのしばらく後に、魚を加えて上がってくるか、天敵に食いちぎられ血みどろで浮かんでくるのか、それを見極めてから前者なら一気に一斉に他のペンちゃん達は飛び込みます。
 コートの中で(特に土壇場で)、自分のリスク・・・奇異な目で見られようが、空気を読んでいなかろうが、チームを失点に導いてしまうかもしれない、失敗するかもしれなかろうが・・・をかなぐり捨てて、その海中に飛び込む勇気。以前、何度かちょいバレで「ピエロ」の話を上げたことがあります。きっと、やり方はわかっているんだと思います。モデルもイメージできているんだと思います。ひとえにその勇気を出せるか否かです。誰もが持っている勇気です。
 自分の殻を破る、一皮むける、ばかになれ、我武者羅に!そんな表現も根幹にはこの勇気。出てこい!ファーストペンギン!

No.280 【目標達成!この難題】 

 

 世の中が変わり始めた。と誰もが言い、だからしかたないかと思いながらも後世を案じ不安がよぎる。この思いは何千年も前から「最近の若い奴は・・・」との嘆きと同じく繰り返されてきたこと。でも加速が違う気がする。流されることの不安の時期を少し経過すると、流れに慣れてくるもの。先日挙げた「馴化」を思い出す。
 最近体重が増えてきたな「ぁ」。喫煙本数数えなくなったな「ぁ」。そういえば毎日呑んでるな「ぁ」。この小さな「ぁ」があるうちは、変化に気づいている期間。慣れてしまうことの怖さに向き合うことをやめてしまったら、戻れない悪夢になやまされることになる(かもしれない)。どうしても楽観的に考えたくなる自分への甘えが後押しする。
 目標をもって達成に向かうには、小さなステップ(具体策)を達成感と課題意識とともに踏んでいかねばならない。しかも自分で。感染症拡大防止に費やしてきたこの期間は、そのチャンスでもあった。あとで吠え面かいても知らないぞと見捨てるのは簡単。難しいのは半分失敗させて、半分成功させること(これは大人の役)。そして子どもは、目標を達成しようと長い長い努力を積むことの意義をこの期間で体験すること。その体験ができなかった子は、将来のダイエットも、禁煙も、生活習慣病対策も、受験の過ごし方も、社会人になってからの生き方も、人や我が子の育て方も、難題を後回しにする性分になりはしないだろうか。
 もちろん、これも自戒を込めての一稿。  
(新型コロナ感染症拡大防止 非常事態宣言期間に作文・・・と投稿した今、第2派が予見される状況です。大丈夫か日本。)

No.281 【野茂投手のフォークボール】 

 

 球速140キロ台のフォークボールで大リーグの名だたる打者をバッタバッタと打ち取った侍、野茂英雄投手。フォークボールで140キロ台?どうかしてる。
 解説者が言った。手元でぐっと落ちましたね!さすがの○○のバットが空をきりました!正確には「手元でぐっと落ちるように見えましたね!」地上のすべての現象は物理の法則に従います。フォークボールを落ちたと見せる原因、手元で落ちたと思わせる原因は、ストレートの球筋、野茂投手の投球方法にも(「も」といったのは、他にもありそうだから。参考:174マクロの視点)要因があります。
 ストレートでは、プロ野球選手で1秒間に40回転を超える選手がいます。空気抵抗の少ない方向に押される力が働くため、縦回転のストレートではボールに下から上に力が働きます。一方、フォークボールは、無回転のため、自由落下(本来の落下)に近く、通過途中の空気の密度や微風の影響で若干の不規則な動きをも伴います。
 野茂投手の投球方法トルネードは、打者にいかにも「仕掛けてくる」感を与え、円弧を想像させ、スライダーか縦回転のカーブをも想定させます。この幾重にも仕掛けられた根拠から狙いを定めて安打を生むのは至難の業。いくつか資料を検索してみましたが、物理の専門家ではない私には落下の程度については解析不能でした。ざっとですが、ストレートとフォークボールの落差はキャッチャーの受ける場所では同じスピードならボール3個分くらいのようです。思いのほか大きくないなとも思えますが、感覚と実際の差はそういうものかもしれません。(ちなみに、硬式テニスボールの場合は、150キロのサーブの場合、1.5mくらいの差があるようです。もちろん、ボールの形質が非常に大きくかかわっています。)
 ストレートがあるからフォークが生きる。幾重ものフェイクの渦が打者を襲う。総じてトルネードなんだなと改めて感服です。

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