HIGASHI JVC
小学生女子
バレーボールチーム

HIGASHI
ホームページの
QRコードです
HIGASHI
Instagramの
QRコードです。
↑
メニュー
八王子市(柚木)
練習予定更新日 2025.9.23
Blog更新日 2025.10.21
more ちょいバレⅠ~XXⅣ 2025.10.26

↓ 中学生クラブチーム「MINT」の秋の体験会
10/10(金)を予定しています。
No.601【セッターの涙】
数か月前になります。吸笛が響きコートから出た直後、セッターが大粒の涙、声を殺しているのが分かりました。舞台で泣いていいのは、達成感に満ちた時のみ、これが約束。だから彼女は我慢していたのです。
レシーバーは、強烈なディグだからある程度正確さを欠いた返球も許容範囲。三角形の守備の真ん中に落ちれば責任は自分が10割ではない。交通事故みたいなものと言い訳ができそう。スパイカーは決定率が50%が45%になっても、ブロックにさえぎられても、言い訳は作れるし、不調の時には別のスパイカーに多めに集めてもらえば責任の回避は不可能じゃない。
でも、セッターはそうはいかないのです。セッターが一度も触らずにラリーが繰り返されることはほぼありません。メインの仕事は、スパイカーに気持ち良いトスを上げること。私の経験上、サイドアタッカーの位置でボール1個のズレ以内、クイックではボール半分以内でないと「来た!」と思えないものです。
それがやりきれなかった、、、と彼女が言いました。個の責任感を逃げ道のたくさん用意できる守備陣、攻撃陣は理解しているだろうか。耳にタコができるほど「Aカットで入れよう!」「どんなトスも効果的に打ち抜こう、攻めよう!」という掛け声やセリフを聞いてきました。ほんの少しでもその意味をちょっとでも忘れて、薄い意識で練習するのであれば、これは背徳行為にほかなりません。
セッターの涙はチームが成長できるか否かの一つの起点。起点の意味は「そこから」。無駄な涙にするのかそれとも・・・。
No.602【休耕田】
先日、小学生から高校生まで過ごした田舎の様子をGooglemapで観て見ました。整備された元の農道と再開発された住宅地。そこは肥溜めや養鰻場の跡地だった鬱蒼とした池だった。野良犬が闊歩する雑木林だったところ? 見通しの良い町に変身していました。
休耕田とは一時的に耕作をしていない農地で、当時からたくさんありました。急に町が近代化して後継者がいないのはここも同じでした。手を入れることを辞めた耕作地は、土壌は良くてもその分、雑草の伸びは早く、周りの原っぱよりも速いスピードで荒廃が進みます。
先日、それぞれのポテンシャルは高いのに、コートで手を抜く、それを見て見ぬふり、あるいは鍬を入れる意識や一人でも耕そうとする勇気と根気の有るメンバーがいない状況のチームを見ました。こういうチームは、きっと冒頭の休耕田のような経緯をたどるのでしょう。そして、「休」ではなく、「耕作放棄地」から「荒廃農地」への道は高確率であることは容易に想像がつきます。
自分たちでない誰かに、責任や方法論を依存するのは虫が良すぎる話です。そんなものは既に何度も何度も手を変え品を変え考え方や方策そのものを提供してもらってきたのでは? 大丈夫! 休耕田にはいい土が残っている。
No.603【slack off】
通称「サボチェン」という練習方法を紹介します。半分遊びのような練習ですが、いくつかの効果を狙った練習方法です。複数対複数でネットをはさんだラリー形式。ルールは簡単です。「サボったら即交代!」ラリーが続いていても即交代!」当然ポジションは抜けた人の場所に入るのですから、決まっていません。小学生のチーム練習では、ほぼ決まったポジションを普段は練習していますし、中学生ではローテーションを念頭に組織的な練習がしみついています。
この「slack off」という練習はコートサイドに判定者(意地悪な奴ほど盛り上がる。だから私にはピッタリ)が「それはサボりのプレー」「気づきが至っていない」「失点の根拠」を発見した瞬間に交代を告げるというもの。コーチが判定者でもいいし、メンバーでもよい。コート外に1名設置するため、コート内は6人以下の場合もあります。
「Let’s slack off!」・・・サボろうよ! ですが、手を抜いたり、すべきことを怠ったりしたらコートに居られないよ、という皮肉を込めて敢えて「(Let’s)slack off」・・・サボろうよという練習名です。
効果は次のとおり。・一生懸命やろうとする。何に気付かなくてはいけないかを考えようとする。即座に判断して発信しようとする。繋ぐ意識を前面に出そうとする。声が出てくる。他者や自分の短所を探せるようになり、自分にフィードバックしようとする。盛り上がる。プレーにスピード感が増す。自分のポジション以外を経験できる。
この練習の高揚感と練習の中にちりばめられた意識を試合に生かせることをサボってはいけません。You must never slack off. If you slack off, get out of the court.
No.604【自分たちのバレー23】
バレーの神様はちょっとだけ微笑んでくれます。ただし、その表情は、次の試練への含み笑い。上等だ!」これは、このシリーズ「22」の最後の一文。後日談を語るには半年かかりました。
直前までに答えが出せない、答えはあっても表現できない、悔しく、もどかしく、扉を開ける勇気や実行力がない。それを痛感させるコーチ陣は、なんと嫌な奴らなんでしょう? もっと盛り上げてあげればいいのに、背中を押してあげればいいのに・・・。そんな声があるのは百も承知です。大丈夫です。伏線は幾重にも張ってきています。でも、奏功するかいなかなんて誰にもわかりません。唯一の光源があるとすれば、チームメイト自身の引き出しと勇気。
この大会は非公式戦とはいえ、公式戦の明暗を占う大切な経験の一日とする約束。今年度のチームになって、最もベンチがメンバーに歩み寄らない方針。その意味は、課題発見力、対応策捻出力(こんな言葉は存在しないか)、実行力、畳みかけ力(この言葉も存在しない)を達成感をもって試合を自分たちの流れにしなければならないことにあります。指示を聞いてやろうとするのは誰でもできますし、慣れてしまえば楽。でも、それは面白くないことを今のメンバーは知っています。
「相手がタイム取ったから、フェイント増やしてくるかも。」「ネット近めはインナーくるからレフト後ろ目から。あまり突っ込まないで準備しよう。」「サーブは敢えてセンター狙っていこう。」「前空くからそこに落とそう。」会話が飛び交う。ここに指導陣の余計なコメントは試合を面白くなくしてしまう。子どもたち発信の会話や空気で自然と出る笑顔、これが次の1点につながってこそチーム一丸と言える。
6年生は、最も重い責任と期待を背負ってコートに入りました。先週の大会では、その責任を果たしていませんでした。この日、誰がどう見ても、あの二人、頼りになる大黒柱だった。ライトからのバズーカ砲、センターからの速攻、コース打ち。戦意を削ぐ軟打。
この日の攻守、一緒にやってきているからこその息の合い方が憎らしいほどでした。セッターの走り込みからのトスの質と場所を、スパイカーが予測して助走をしていました。上がった場所に関係なくほとんどgoodタイミング。ブロッカーとバックのコミュニケーションも練習の賜物。
さて、いよいよ次なる試練は公式戦でこのやり口、自分たちのバレーを表現するのみ。バレーの神様に笑い返してやろう!!
(優勝って響きは、いいね。新聞に載るらしいよ・・・。)
No.605【力水】
本来は、相撲の取組みの前に、勝った力士あるいは次に控える力士が土俵の上の力士に差し出す水のこと。柄杓の水を対戦を控えた力士は一口だけ口に含む。
一口の水、砂漠であれば命の水。マラソンや他のスポーツであれば競技を安全に継続するための給水。一発勝負の直前にこの給水の儀式があるのは相撲だけ。ある力士が語っていました。「この一瞬があることで冷静さを取り戻せます。蹲踞から立ち上がった瞬間に観客の皆さんの姿が目に入ります。感謝の気持ちとともに一気に士気が高まってきます。」一口の水にこんな力が。言葉通りの力水。
バレーボールの試合では、選手の健康管理上の給水時間が用意されることがあります。のどを通すほんの少しの水、折角ならただの水分補給に当ててはもったいない。冷静さを取り戻す、水筒を持ってきてくれるチームメイトの思いを汲む、応援席に目をやりここまでんの道のり全部を含めて感謝、円陣を囲む仲間と心と考え方を一つにできる時間を一口の水に感じられる選手であってほしいと思います。
そうなれば、どこにでもある酸素と水素の単純な共有結合分子(H2O)の集合体が、コートで発揮する力は、豪華なメインディッシュ同様に突破力の支えになるのかもしれません。だから力水。言葉通り。
蛇足・・・士気を高めるツール、冷静さを取り戻すツールはたくさんあります。物とは限りません。言葉、動作、音、イメージ・・・。チームのベクトルを1方向にする手立ての一つ。
